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薬剤師需給、「既に研究レベルの話ではない」
社保審医療部会で日本医師会副会長の今村氏が追及

 社会保障審議会医療部会が2019年11月18日に開催され、日本医師会副会長の今村聡氏が、薬剤師の需給を巡り「私は研究レベルの話では既にないと思っている」と強く主張した。

 今村氏は、19年9月19日の社保審医療部会でも、薬剤師の需給について問題視していたが(関連記事:院内調剤の報酬を巡り議論が紛糾)、さらに追及した格好だ。

 今村氏は、「医師の需給の場合は、厚生労働省医政局と文部科学省が需給を検討することになっていた。(医療部会の事務局である)医政局は薬剤師の話は関係ないのかもしれないが、薬剤師は医療関係職種の中でとても重要。病院と薬局、さらには地域に偏在があることは明確に分かっている中で、一体どれだけの薬剤師が日本に必要なのかをきちんと計算する必要があると思っている」と語った。

 これに対して、厚労省医政局総務課は、2018年度の厚生労働行政推進調査事業費補助金による調査結果(関連記事:薬剤師需給予測は“警笛” 、新たな取り組みで需要を増やせ)を引用し、37万人の需要に対して供給は37万人と需給均衡だったが、中長期的に見ると、需要に対して供給が上回ると報告。医薬・生活衛生局で2020年度予算として都道府県、2次医療圏ごとの詳細の需給状況を調査し、具体的な施策など必要な検討をしていく考えであることを説明した。

 今村氏が、こうした発言をしたきっかけは、今回の医療部会で「最近の医療提供体制改革について」をテーマに、厚労省から、医師の働き方改革の推進、地域医療構想に関する各種検討会での議論などが報告されたためとみられる。

 今村氏の発言の前には、日医常任理事の釜萢敏氏が、「医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会」において、挙げられた業務内容がすぐに他職種にタスクシフト/シェアできるものと、実現までに検討が必要なものがあることを説明。

 その上で、「それぞれの医療関係職種が現在どのくらいの人数がいて、どのくらいの業務量をタスクシフトできるのか、よく考えながらやらないといけない。必要な関係職種が足りなくならないように、また養成数が増えすぎないように、国としてしっかり把握して、どういう対策を立てたらよいのか常に考えていただきたい」と強く要望した。

 一方、日本薬剤師会の安部好弘氏は、タスクシフト/シェアに関連して2つを要望した。まず、19年11月8日に示された、医師から薬剤師へタスクシフト/シェア可能と示された項目について(関連記事:療養上必要な薬剤を巡り議論が紛糾)、様々な医療の場面や職種の違いによって、用語の解釈に誤解やイメージのばらつきが起きないように、丁寧な検討を求めた。

 また、19年7月に日薬として参加したヒアリングで示した、タスクシフト/シェアの先進事例について、「新たに多くの現場で導入する際には、業務内容の項目に示されたものを表面的に“コピー&ペースト”するわけにはいかない」と強調。先進的な事例については、タスクシフト/シェア導入に至るまで、各職種に必要な体制整備や連携の在り方、課題解決に時間をかけてきたと考えられるため、今後取り組む病院向けに、そうした経験やノウハウの事例を示すように求めた。

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