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特集◎添付文書改訂の裏側《2》
スタチンとフィブラート、併用が必要な患者とは

2019/03/18
坂井 恵

りんくう総合医療センターの山下静也氏

 そもそもHMG-CoA 還元酵素阻害薬(スタチン)とフィブラート系薬を併用する必要性が高い患者とは、どのような患者なのだろうか。

 日本動脈硬化学会理事長で、りんくう総合医療センター(大阪府泉佐野市)病院長の山下静也氏は「高LDL-C血症と高TG血症を合併した患者で、スタチンを投与してもTGの管理目標が達成できない患者」と説明する。

 脂質異常症の中で、最も多いタイプは高LDL-C血症だが、LDL-C値に加えてTG値が高く、HDL-C値が低い混合型高脂血症の患者も少なからず存在する。脂質異常症では、LDL-C値とTG値は高いほど、HDL-C値は低いほど、冠動脈疾患の発症頻度が高く、これらを是正することは、イベントの発症を抑制する上で重要とされている。

 混合型の患者の治療では、「まずスタチンを処方して様子を見る」(山下氏)のがスタンダードだ。スタチンはLDL-C値の強力な低下効果に加えて、弱いながらもTG値の低下効果を有する。しかし、スタチンだけでは、TG値が目標値まで下がらないことも少なくない。この状態について「残余リスクという言葉が使われるが、“残余”ではなく、しっかり治療すべき本質的なリスク」と山下氏は強調する。

 TG値の低下効果を有する薬剤としては、ニコチン酸誘導体、ω3系多価不飽和脂肪酸もあるが、「現在のところ、TG低下効果の高いフィブラート系薬が第一選択薬」(山下氏)だ(表1)。

 混合型の患者では、2型糖尿病や肥満症を合併していることも多く、腎機能が低下した患者もいる。2剤を併用しにくい状況だったことで、コントロールがうまくいかず、山下氏のような専門医に紹介されてくるケースも少なくなかったという。

表1  脂質異常症治療薬の薬効による分類

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