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第10回医薬品医療機器制度部会より
制度部会とりまとめ案、分業の現状に厳しい指摘

 2018年12月14日に開催された、第10回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会(制度部会)。

 厚生労働省は、医薬品医療機器等法(薬機法)改正に向けたとりまとめ案を示したが、その中には、医薬分業に関する取りまとめ「薬剤師が本来の役割を果たし地域の患者を支援するための医薬分業の今後のあり方について」(表1)が盛り込まれた。

 その中で、医薬分業の現状の項目には、薬局や薬剤師に対する厳しい文言が並んだ。例えば、「現在の医薬分業は、政策誘導をした結果の形式的な分業であって、多くの薬剤師・薬局において本来の機能を果たせておらず、医薬分業のメリットを患者も他の職種も実感できていない」「単純に薬剤の調製などの対物中心の業務を行うだけで業が成り立っており、多くの薬剤師・薬局が患者や他の職種から意義を理解されていないという危機感がない」──。

 これらはいずれも委員からの指摘として書かれているが、取りまとめの本文にも、「このことは関係者により重く受け止められるべきである」と強調されている。

 これに即座に異議を唱えたのは、日本薬剤師会副会長の乾英夫氏だ。「全体のバランスという意味でも問題の指摘だけではなく、医薬分業の効果も必要ではないか」と述べ、薬局薬剤師による疑義照会の件数を例に出して、盛り込むことを求めた。

 だが、他の委員から同調する意見は上がらなかった。認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏は「今までやってきたことは当たり前のことであって、本来の役割を果たせていないことがこの制度部会で問題になっている」と主張。

 一般社団法人知ろう小児医療守ろう子ども達の会代表理事の阿真京子氏は、「すごく頑張っている人は頑張っていて、やっていない人はやっていない。差があるのが問題」とし、個人の頑張りでなく、仕組みの整備を求めた。

 これを受けるように、山口氏は、「問題なのは、二極化してきていること。一生懸命やっているところが多いかといえば、私は少ないと思う。ちゃんとやっていないところが多い中で、一番の問題は自分たちができていないことを自覚していないこと。変わってもらわないと分かるようにかいていただきたい」と求めた。

 乾氏は「二極化というとんでもない話が出てきているが、実際にはやっているけれども見えていなかった業務も多くある。私は、全ての薬剤師はしっかりと業務をやっていると思っている。決して薬を渡すだけでなく、しっかりチェックしたり、情報提供を行ったりしている」と強調。

 さらに、乾氏は薬剤師の業務について「マイナスをプラスにするという業務はほとんどなく、マイナスをゼロにするのがほとんどで、なかなかそれが見えていなかったのではないか。そのために、委員のみなさんから『やっていない』と言われてしまっていることは反省すべきと思っている」と述べた。

 こうしたやり取りを見かねたように、日本医師会副会長の中川俊男氏が「(委員たちは)現場での実体験を踏まえながら言っている。こうした真摯な意見に対して、『違う』『全ての薬剤師はやっている』と乾委員は言う。確認するが、本当にそうなのか」と乾氏に質問。これに対して乾氏は「私の思いが強く出てしまっているのかもしれないが、できていない薬局があるのであれば、しっかり変えていかなければならないという認識は持っている。思いが強く出てしまった」と説明した。

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