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第8回医薬品医療機器制度部会より
薬機法で服薬状況の把握などの義務付けを提案

医薬品医療機器制度部会はここ数回、傍聴者が急激に増えている。今回は200人が詰めかけた。

 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会が2018年11月8日開催され、前回に引き続き、「薬局・薬剤師のあり方、医薬分業のあり方」をテーマに議論が繰り広げられた。

 今回、厚生労働省は、1874年(明治7年)の医制に始まり、1974年(昭和49年)の診療報酬における処方箋料の引き上げなど、医薬分業の歴史的な経緯を提示。厚生労働白書を引用して、医薬分業により期待される効果についても説明した。

 その上で、前回示した論点(関連記事:「日薬、薬局を機能で3つに分類するよう提案」)を踏まえて、表1のような「検討の方向性」を示した。

 ポイントは、まず、薬剤師が医薬品の服用期間を通じて、必要な服薬状況の把握や薬学的知見に基づく指導を行うことを法令上義務付けたり、薬学的知見に基づいた指導などから得られた情報を、必要に応じて医師、歯科医師、薬剤師といった医療関係者に提供することを法令上努力義務としたりするといったもの。加えて、これらを薬局開設者の遵守事項とすることが、項目に挙がった。

 出席した委員はおおむね賛同の姿勢を示したが、日本医師会副会長の中川俊男氏は、「薬剤師が当然やるべき仕事」として、前回同様、法令上で義務付けることに異議を唱えた。

 中川氏は、「これだけ全国の薬局で問題が繰り返される中で、法令上明確化することにどういう意図があるのか」と質問。これに対して、厚労省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長の磯部総一郎氏は、「本来なら薬剤師は当然やっていることだと思う。だが、それでなかなか対策がうまくいかないので、この部会の議論になっている。『そうであれば法令上明確化するといいのではないか』という委員の意見があり、事務局として提案した」と説明した。

 磯部氏によれば、各地方自治体で薬局の指導監視が行われており、全国5万8000軒ある薬局のうち、年間3万軒に立ち入りを行っているという。厚労省としては、努力義務であっても法令上明確化しておくことは、指導監視の際に意味があるとの考えを示した。

 これに対し中川氏が、薬歴未記載など2015年以降に起きた薬局の不祥事を挙げて、「薬機法で明確化することで、起こらなくなるのか」と問いただす一幕も。磯部氏は「起こりにくくなると思う」と答えた。

 批判を繰り広げる中川氏に対して、認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏は、「法令で規定する以外に、やるべき役割を果たすのにはどのような方法があるのか」と質問。

 中川氏は、反対している理由として、法律上明記することがその後の調剤報酬改定の加算や引き上げにつながることに懸念を示していると説明し、「できていないくせに、法令上明確にすればできるようになるというのは無理がある」「国が都道府県に指導してできるようになるというのはおごりだと思う」などと発言した。

 特定非営利活動法人ネットワーク医療と人権理事の花井十伍氏は、薬学教育が6年制となり、臨床家としての薬剤師が活躍している中で、医薬品医療機器等法(薬機法)はそれに合った形で変わっておらず、時代遅れであると指摘。「彼らの時代を迎えるに当たって、(薬機法改正で)環境を整備する、サポートすることが重要」と述べた。

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