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薬局で臨床研究を行ってみよう!
愛知県薬剤師会と名市大が薬局薬剤師向けワークショップを開催

3月2日に名古屋市立大学薬学部で開かれた第10回愛知県薬剤師会学術発表会の様子。

 薬局業務の中からテーマを見つけて、臨床研究を実施しよう――。2014年3月2日、第10回愛知県薬剤師会学術発表会が名古屋市立大学薬学部で開催され、データ分析に必要な統計の基礎知識について講義が行われたほか、参加者らは小グループに分かれて、薬局で行える臨床研究のテーマについてアイデアを出し合ったり、方法について議論したりした。

 名古屋市立大学薬学部では2011年度から、文部科学省「専門的看護師・薬剤師等医療人材養成事業」の一環として、「チーム医療に貢献する薬局薬剤師の養成」プログラムを実施している。最終年度に当たる今年度は、50人の薬剤師が受講。プログラムでは年間を通じて、「医療技術や試技の習得(医学領域)」「コミュニケーションや臨床心理、介護技術の習得(看護領域)」「薬物療法の知識や技術、臨床に必要な学術能力の習得(薬学領域)」の3つの領域にわたり、22回の研修会を行ってきたが、最終回の3月2日は、公開で実施された愛知県薬剤師会学術発表会に受講生が参加する形で、講演やワークショップが行われた。

 学術発表会ではまず、金城学院大学薬学部准教授の小幡由紀氏が、「臨床の科学的分析に必要な統計の基礎知識」と題して記念講演を行った。小幡氏は、数値データの統計分析時の注意点や、統計的検定の種類などについて解説したほか、薬局のアンケート調査や病院の処方動向、疫学的研究の学術論文を例に挙げ、データの解析方法や読み解き方などの実践的なポイントを紹介した。

 続いて、参加者は7~8人のグループに分かれて、薬局で行う臨床研究のテーマや方法についてディスカッションを行った。グループごとにまず2~3人の薬剤師があらかじめ用意してきた薬局の業務改善や工夫などに関する調査・分析結果について発表を行い、質疑応答やより良い研究発表につなげるための改善点を出し合った。

 オリーブ薬局竹の山店(愛知県日進市)の堀場亜佐子氏は、薬局でHbA1cを測定するイベントを開催した経緯と成果について発表した。イベント開催の目的や、開催までの準備や患者への説明のフロー、当日の業務の流れ、得られたデータの分析結果を報告。それに対し、小グループのメンバーからは、「複数の目的で一つの調査を行う場合は、それぞれの目的を明確にすべき」「薬剤による血糖値への影響を調べるためには、HbA1cだけでなく、血糖値や薬剤の投与期間などのデータも採った方がいいのでは」といったアドバイスが出された。

 めいぷる薬局(愛知県日進市)などを展開するオフィス・マントルのエリアマネージャーである橋村孝博氏は、フェンタニルパッチの貼付部位の皮膚温度の変動について検討した結果を報告。健常成人を被験者として、72時間持続性のフェンタニルパッチの製剤見本を胸部に貼り、密着性の高い補助テープ(救急絆創膏、商品名テガダーム コンフォート フィルム ドレッシング)を貼付した群とそうでない群の入浴前後の皮膚温度の変化を調べた結果、補助テープを使用しても、貼付部位の皮膚温度は有意に上昇しないことが分かったという。橋村氏は、「今後は、市販の防水テープによる皮膚温度への影響や費用対効果についても検討したい」とまとめた。

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