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第46回日本薬剤師会学術大会リポート
薬局で取り組む腎機能チェック
薬剤師への意識付けとお薬手帳の活用でCCr把握率が向上

腎機能と投与量チェックの取り組みの成果について報告した、多摩薬局の石井不二子氏。

 ポリスチレンスルホン酸カルシウム(商品名アーガメイト他)や球形吸着炭(クレメジン他)が処方されている患者は、明らかに腎機能が低下していると考えられる。多摩薬局(東京都立川市)では、これらの薬剤が処方されている患者に対して、薬剤師が血液検査の結果を聴取し、クレアチニンクリアランス(Ccr、単位mL/分)を把握するよう取り組んでいる。同薬局薬剤科主任の石井不二子氏らが、第46回日本薬剤師会学術大会のポスターセッションで取り組みの成果を発表した。

 近年、人口高齢化に伴い、腎機能が低下した高齢患者は増えている。一方で、多くの薬局では、腎機能に関する検査データを患者から聞き取らなければ把握できず、腎機能に応じた用量調節や処方提案が十分に行われていないのが現状だ。透析病院の近隣薬局での勤務経験がある石井氏はこの実態を問題視し、まず、明らかに腎機能が低下されている患者を対象に、薬局での腎機能の把握状況について調べることにした。

 調査は、ポリスチレンスルホン酸カルシウムまたは球形吸着炭が処方されている患者を対象とした。2012年12月~13年1月の薬歴を読み返して、血清クレアチニン値(Scr、単位mg/dL)と体重の記録、および腎排泄に応じた用量調節を要する薬剤の併用状況について抽出した。

 ポリスチレンスルホン酸カルシウムが処方されていた患者(アーガメイト群)は40例、球形吸着炭が処方されていた患者(クレメジン群)は5例だった。アーガメイト群のうち、Ccrを把握していたのは6例(15%)、Scrのみ把握していたのは5例(13%)、Ccrが不明だったのは29例(72%)だった。クレメジン群のうち、Ccrを把握していたのは1例のみだった。

 さらに、アーガメイト群でCcrが不明だった29例のうち、CCr<50で減量を開始すべき薬剤が併用されていたのは、16例(47%)に上った。アーガメイト群の患者の腎機能が30≦Ccr<50であると仮定した場合、過量投与の恐れがあるなどで疑義照会が必要と考えられる処方内容としては、オロパタジン塩酸塩10mg分2、アロプリノール200mg/日、ラニチジン塩酸塩300mg分2、トラネキサム酸750mg分3――だった。

 一方、クレメジン群でCcrが不明だった4例のうち、Ccr<10で減量を開始すべき薬剤が併用されていたのは、3例(75%)だった。クレメジン群の患者の腎機能がCcr<10であると仮定した場合、疑義照会が必要と考えられる処方内容としては、オロパタジン塩酸塩5mg分1、アロプリノール100mg/日、セフカペンピボキシル塩酸塩300mg分3、ラニチジン塩酸塩150mg分1、トラネキサム酸750mg分3、アテノロール25mg分1、スピロノラクトン25mg分1、フェキソフェナジン120mg分2――が挙がった。

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