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「薬の正しい使い方教育」で薬物乱用を防ぐ
慶応大社会薬学講座が中学生向け“出前授業”を開催

都内の公立中学校で行われた出張授業の様子。

 「医薬品は正しく使うことで、本来体が持つ、病気を治そうとする力を助けてくれます。でも、間違った使い方をすると、体に悪いものになってしまいます」――。慶応義塾大学薬学部社会薬学講座では、研究活動の一環として、小中学生向けの「薬の正しい使い方教育」(薬育)に関する出張授業を行っている。薬の効き方や飲み方などについて分かりやすく説明して、薬の適正使用への理解を促すとともに、麻薬や覚醒剤などの薬物乱用防止を訴えることが狙い。

 6月21日、慶応大学薬学部社会薬学講座教授の福島紀子氏と同講座に所属する薬学生4人は、国分寺市立第3中学校(東京都国分寺市)の全校生徒約440人を対象に、「医薬品と薬物乱用」と題する出張授業を実施した(写真)。

 授業ではまず、薬の効き方、飲み方などについて、アニメーションや寸劇を交えながら説明。司会役の薬学生が、「ドラッグストアで買えるかぜ薬の働きは?」「口から飲んだ鼻炎薬はどうやって効く?」「自分がかかった病気と同じ症状が出ている友達に、病院でもらった薬をあげてもいい?」といった、身近な薬の使い方に関する質問を3択クイズで生徒らに問い掛けると、生徒らは積極的に挙手をして応じた。

 医療用医薬品と一般用医薬品(OTC薬)の違いや、主作用と副作用の違い、決められた量の2倍量を服用した場合の血中濃度の変化といった、やや専門的な知識についても、写真や模式図を使って分かりやすく解説。「薬は正しい使い方、つまり用法・用量を守ることが大事。誤った使い方をしたり、病気やけがのとき以外に使ったりすると、体に悪い影響を及ぼすことがある」と話し、生徒らに適正使用の重要性を訴えた。

 続いて、乱用に用いられる覚醒剤やシンナー、脱法ハーブなどの種類や呼び名を紹介。これらの薬物が脳の“門番”である血液脳関門を容易に突破し、ドーパミンが過剰に放出されてしまう仕組みを、ドーパミンやレセプター、覚醒剤を動物に見立てたアニメーションを使って解説した。また、薬物乱用は事件や事故などにもつながり、他人を巻き込む恐れがあることについても触れ、「薬物に一度手を染めると、やめようと思っても正常な判断ができなくなってしまうから、絶対に手を出してはいけない」と強調した。

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