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ビスホス製剤と心房細動に相関なしとFDAが中間報告
プラセボ対照4試験をメタ分析、事実上の“安全宣言”に

 米食品医薬品局(FDA)は11月12日、骨粗鬆症治療薬のビスホスホネート製剤と心房細動発症リスクとの関連について、既存のプラセボ対照4試験のメタ分析結果を公表した。臨床試験4件の詳細情報を試験実施者から入手し、プラセボ群(1万8358人)とビスホスホネート群(1万9687人)に分けて横断的に解析したが、ビスホスホネート製剤の使用と心房細動の発症には明確な相関は認められなかったという。英医薬品庁(MHRA)が7月に“安全宣言”を行ったのに続き、米国でも使用上の懸念が一応は払拭された格好となった。

 ビスホスホネートの使用と心房細動の発症との関連が最初に指摘されたのは2007年3月。閉経後骨粗鬆症患者7765人を対象に、ゾレドロン酸(日本での商品名:ゾメタ、わが国では骨粗鬆症への適応はない)またはプラセボを点滴投与して新規骨折の発生率などを比較した臨床試験で、実薬群における心房細動の有意な増加が明らかになった。この試験の論文と、アレンドロン酸ナトリウムの経口剤(フォサマック、ボナロン)を用いた別のプラセボ対照試験の再解析により心房細動リスクの上昇が示唆されたことを伝えるレターが、医学専門誌の『New England Journal of Medicine』誌(NEJM誌)2007年3月3日号に掲載され、大きな注目を集めたという経緯がある。

 この指摘を受け、FDAは2007年10月にゾレドロン酸の添付文書を改定して心房細動の発症リスクへの注意を喚起。同時に、アレンドロン酸ナトリウムを含むほかのビスホスホネート製剤について、プラセボ対照試験の実施者に詳細な患者情報を提供するよう要請、メタ分析を進めていた。

 今回の分析では、ゾレドロン酸を用いた1試験で重篤な心房細動発生率の有意な上昇が認められたものの、総じて見るとビスホスホネート製剤の使用の有無と心房細動の発生率との相関は認められなかった。また、ビスホスホネートの用量や使用期間と、心房細動の発生率との相関も認められなかったという。この分析結果を受け、FDAは「今後も市販後調査でビスホスホネートと心房細動との関連についてモニタリングを続行する」としながらも、「現時点で得られたデータに基づけば、医療従事者はビスホスホネート製剤の処方パターンを変えるべきではなく、患者は服用をやめるべきではない」との見解を提示している。

 ビスホスホネートと心房細動との関連については、昨年から今年にかけて、臨床試験結果の再解析などにより相関の有無を調べる研究報告が多数発表された。アレンドロン酸については「関連あり」とする報告と「関連なし」とする報告(関連記事参照)が相次いで出され、議論を呼んでいた。なお、英国においては、MHRAが発行する医薬品安全情報誌「Drug Safety Update」7月号で、ビスホスホネートと心房細動の関連について「相関はあるがリスクの絶対値は低く、リスク利益比は良好」との見解を示している。

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