DI Onlineのロゴ画像

服薬指導のリスクマネジメント
後発医薬品は安い分、効き目が悪く副作用も強いと考えた患者

2008/10/22
澤田 康文=東京大学大学院教授 情報学環/薬学系研究科 医薬品情報学講座

1 処方の具体的内容は?

55歳の男性。高脂血症。

<処方 1>


プロバチン錠5   2錠
   1日2回 朝夕食後服用 14 日分




2 何が起こりましたか?

・先発医薬品のメバロチン(一般名:プラバスタチンナトリウム)から、その後発医薬品であるプロバチンへの処方変更があった。患者は、安価で同じ成分と説明されたが、効果や副作用の出方が違うのではないかと不安になり、薬を服用しなくなった。


3 どのような過程で起こりましたか?

・医師は、患者の経済的問題から、先発医薬品のメバロチンから後発医薬品のプロバチンへの変更を勧めた。メバロチンに比べてプロバチンの方が安価であり、しかも同一成分であることを説明された患者は、処方変更に喜んで同意した。

・ところが、2週間後、患者が来局した時に薬剤師が服薬状況を尋ねたところ、薬をほとんど服用していないことが明らかになった。理由を聞くと、「同じ成分で値段が安いということは、その分、効果が十分でなく副作用も強く出るのではないかと不安になった」と患者は言った。


4 どのような最悪の事態が予想されますか?

・服薬の中断により心筋梗塞を発症。


5 なぜ起こったのでしょうか?

・医師、薬剤師とも価格や成分について説明しただけで、効能・効果や副作用に違いがないことを十分に説明していなかった。患者に対しては、後発品とは何か、なぜ同じ成分なのに価格が安いのかということもわかりやすく説明する必要があった。

この記事を読んでいる人におすすめ