DI Onlineのロゴ画像

特集◎女性薬剤師1145人に聞いた、薬剤師の出産と子育て
子育て制度があるのに使えない実態も

 今後、子育ての予定がある女性薬剤師は、どのような不安を抱えているのだろうか。日経ドラッグインフォメーションが女性薬剤師を対象とした調査の結果、昨今の待機児童問題を受けて「保育園などの育児サービスを利用できるか不安」がトップだった(詳しくは「キャリアとの両立に悩み」参照)。

 出産・子育てに関する不安に関する自由意見欄には、「会社の制度が整っていない」「上司や同僚の理解が得られない」といった悩みが数多く寄せられた。特に、「有給休暇や時短などの制度があっても、現実的には使えない」「子どもの体調不良などによる急な早退や欠勤に理解を示してもらえない」など、深刻な悩みが目立つ。

 3人の子どもを育てる女性薬剤師Bさん(30代、東京都近郊在住)は、2人目の子どもがノロウイルスに感染して有休を申請した際に、社長から「子どもの面倒は誰かにお願いして、何とか出社してほしい」と言われた経験があるという。「1番上の子も前日に吐いていて、感染間違いなしの状況だった。夫は多忙で、私は当時3人目を妊娠中。そんな状況で、出社しろと言われても……」と当時の状況を振り返る。結局、その夜にBさんを含め家族全員が発症し、翌日に出社を断ったという。

 このほか、「子どもの入院の付き添いで休むことになったが、入院1日目にして『シフトはどうするんだ』というメールが10通以上も送られてきた。耐えきれず転職した」(30代・正社員の薬局薬剤師、子ども3人)など、パワハラまがいのケースも現実にあるようだ。

 子どもの病気以外に、子育ての理解のなさに対する「恨み言」も数多く寄せられた。「管理薬剤師が子育てに理解がなく、子どもの運動会や卒業式などを理由にした休暇申請に快い返事をもらえなかった。卒業イベントに出られなかったことは、今でも思い返すと悔しい。根に持っている」(40代・正社員の薬局薬剤師、子ども2人)。

 日経HRエージェントの廣瀬氏は、「産休・育休や時短制度が整っている大手でも、実際に制度が使えるかは現場の管理者などの理解によるところが大きい。就労条件が合う職場だからと転職したのに、現場の理解が得られず転職を繰り返すケースもある」と明かす。その上で、「仮に転職するなら、急な休みのフォロー体制や、同じような子育て薬剤師にどう対応してきたかの実績を、現場の管理者などに確認した方がいい」とアドバイスする。

この記事を読んでいる人におすすめ