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特集◎新ガイドラインに学ぶ 小児気管支喘息Q&A《4》
小児喘息、LABA単剤の追加よりも配合薬を
1度に2剤の吸入は服薬アドヒアランス低下の恐れ

2018/03/16
坂井 恵

 長時間作用性β2刺激薬(LABA)の吸入薬についても、日本小児アレルギー学会による「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017」(JPGL2017)では扱いが変更されている。

 吸入ステロイドで十分なコントロールが得られない場合、JPGL2012では「LABA単剤の追加」または「吸入ステロイドとLABAの配合薬の追加もしくは同薬への変更」のどちらかを推奨していた。それがJPGL2017では、LABA単剤の追加は外され、吸入ステロイドとLABAの配合薬の追加、もしくは配合薬への切り替えのみが推奨となった。

 気管支拡張薬であるLABAを単剤で使用しても、当然ながら、喘息の本態である気道炎症は抑制できない。しかも米国食品医薬品局(FDA)では、LABAが小児において重篤な有害事象を高めたとの解析結果に基づいて、2010年にLABA単剤での使用を禁止している。

 だが、ここで1つ疑問が湧く。吸入ステロイドとLABAの配合薬で、小児への適応があるのはサルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル(SFC、アドエア)のみだが、配合薬の構成成分であるサルメテロール(LABA)とフルチカゾン(吸入ステロイド)は、それぞれ単剤でも販売されている。例えば、フルチカゾンを単剤で使用中の患児にサルメテロール単剤を追加するといった処方も考えられる。

 この点について、福岡市立こども病院アレルギー・呼吸器科科長の手塚純一郎氏は、「2剤を処方すると、患者が必ずしもきちんと併用してくれるとは限らない。配合薬ならその心配がない」と解説する。特に吸入薬では、1度に2剤の吸入はアドヒアランスが低下しがちだ。吸入して間もなく呼吸が楽になるLABAだけを使用してしまうケースが多く、結果的にLABAの単剤使用になってしまう恐れがあるというわけだ。

 最近は、配合薬が普及しており、「LABAの単剤処方を見ることが少なくなってきている」(すずらん調剤薬局の上荷裕広氏)ようだが、見掛けたら配合薬への変更を医師に提案したい。

 なお、JPGL2017における薬物療法プランでは、対象年齢が5歳以下と6歳以上に分けられているが、サルメテロール・フルチカゾン配合薬(SFC)の適応は5歳以上であり、年齢区分が異なる。薬物療法プランの治療ステップ3の基本治療は、5歳以下は「中用量吸入ステロイド」、6歳以上では「中用量吸入ステロイドもしくは低用量SFC」となっている。ただし、ガイドラインと添付文書の年齢区分のはざまにいる5歳児については、ガイドラインの本文で「基本治療として5歳以上では、中用量吸入ステロイドもしくは低用量SFCを選択する」と示されている。

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