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特集◎新ガイドラインに学ぶ 小児気管支喘息Q&A《3》
喘息の診断がついていないのに吸ステ?
乳幼児の喘息は早期に治療開始

2018/03/15
坂井 恵

 吸入ステロイドや抗ロイコトリエン薬が処方されている乳幼児の保護者に「喘息ですか」と確認したところ、「喘息とは言われていない」「喘息かどうか分からない」という答えが返ってきても、驚いてはいけない。

 日本小児アレルギー学会による「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017」(JPGL2017)では、乳幼児の喘息について、診断がついていなくても、「診断的治療」によって早期に治療を開始するよう示されている。

 診断的治療とは、診断がつかない場合に、特定の疾患を想定して治療を行うことで、治療に反応すればその疾患と診断し、効果がなければ、また別の疾患を想定し、治療を試しながら診断を確定する方法だ。

 乳幼児喘息の診断的治療は、β2刺激薬への反応が乏しいものの、呼気性喘鳴を認める患者に、重症度に応じて長期管理薬を1カ月間投与し、喘鳴がコントロールできた時点で投与を中止して経過を観察する。薬を使用している間は症状がなく、中止している間に症状が再燃する場合は「乳幼児喘息」と判断し、治療を再開するという流れだ。

 乳幼児喘息は、病態が多様な上に、検査の実施が困難なことも多いため、専門医でも早期の診断が難しく、確定診断できないケースが少なくない。しかし、喘息の発症年齢は、乳幼児期に多い。患児の約80%が3歳未満で、約90%が6歳までに発症するといわれており、予後を考えると早期診断・早期治療が不可欠だ。

 西藤小児科こどもの呼吸器・アレルギークリニック(滋賀県守山市)院長の西藤成雄氏は、「これまでも、診断的治療を行うことがあったが、医師としては診断が確定してから治療を始めるべきではないかという思いもあった。ガイドラインに明記されたことで、より迅速に対応できるようになる」と話す。

 これまで以上に、積極的に診断的治療が行われる可能性があることを知っておこう。

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