ツロブテロール(商品名ホクナリン他)貼付薬は、吸入薬や経口薬に比べて保護者の負担が少ない。また、夜間や明け方の咳込みが抑えられることなどから、喘息に限らず小児の咳嗽に使われることが多い。しかし、「ツロブテロール貼付薬の使い方をきちんと理解している保護者は、案外少ない」と、すずらん調剤薬局(三重県亀山市)の上荷裕広氏は話す。
では、ツロブテロール貼付薬の使い方は、ガイドラインではどう示されているのだろうか。実はツロブテロール貼付薬の位置付けは、日本小児アレルギー学会による「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017」(JPGL2017)で大きく変わっている。
5年前に出されたJPGL2012までは、小児喘息の薬物治療は「長期薬物治療」と「発作治療」の2つに分けられており、長時間作用性β2刺激薬であるツロブテロールは、長期薬物治療に使用する薬に含まれていた。しかし、JPGL2017では新たに「短期追加治療」というカテゴリーが設けられ、ツロブテロールはそこで使用する薬として位置付けられたのだ(表3)。

表3 JPGL2017による小児気管支喘息の長期管理に関する薬物療法プラン
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