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特集◎どこに向かう調剤報酬改定《4》
かかりつけ薬剤師の要件を巡り議論が白熱

 2016年度改定で創設された、かかりつけ薬剤師指導料。制度開始から1年半以上が経過し、算定状況などが徐々に分かってきた。

 厚生労働省の「16年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査」によると、回答した1149薬局のうち、かかりつけ薬剤師指導料やかかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準を届け出ている薬局は56.6%。かかりつけを届け出ていない理由としては、「基準の要件を満たす薬剤師がいない」(42.9%)、「地域活動に参画している薬剤師がいない」(36.7%)、「研修認定制度等の研修を受講していない」(35.3%)などが上位を占めた。

 同指導料の算定が月に2.4%程度だったことについて、中央社会保険医療協議会(中医協)委員で健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は「算定割合が低く残念」と話す。

 その一方で、「たまにしか来ない人に、かかりつけに同意してくれというのはとんでもない話」だとして、実態については精査が必要だと指摘する。中医協でも「必要性のない人から同意を得るのはおかしい」との意見がある。

 かかりつけ薬剤師の施設基準に関しても、「(当該薬局への)勤務経験が半年以上というのは、地域包括ケアシステムにおいて顔の見える関係を築く上では短か過ぎる」との指摘や、算定対象となる患者を限定すべきとの提案もある。健保連の幸野氏は、「○歳以上、薬を○種類以上飲んでいる、周産期であるなど、ある程度対象を絞るべき。多くの薬を飲んでいて管理が必要な人に声を掛けるのが本来の姿だろう」と強く見直しを訴えており、議論の行方が注目される。

「週32時間」は堅持か

 そんな中、11月8日の中医協総会で先行して議論されたのが、かかりつけ薬剤師指導料の施設基準のうち、週当たりの勤務時間の要件について。つまり、現行の週32時間以上の勤務という要件を緩和するかどうかだ。日本保険薬局協会(NPhA)などは、かねてからこの要件の撤廃を求めていた。

 しかし日本薬剤師会常務理事の安部好弘氏は、この勤務時間について、「施設基準としては緩めるべきではない」と強調。かかりつけ制度が導入されてまだ2年にならないことを踏まえて、「仕組みが受け入れられ、根付くまで丁寧に、慎重に取り組んでいくことが重要だ」と、次期改定での施設基準や算定要件の緩和・撤廃に慎重な姿勢を崩していない。

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