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特集◎新薬登場で変わる脂質異常症治療《4》
動脈硬化性疾患予防GL、ここが変わった
日本動脈硬化学会理事長・山下静也氏に聞く

りんくう総合医療センター 山下 静也氏

 5年ぶりの改訂となった『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版』では、家族性高コレステロール血症(FH)治療におけるPCSK9阻害薬やMTP阻害薬の位置付けが明確に示された。

 このほかの改訂ポイントとして、日本動脈硬化学会理事長でりんくう総合医療センター(大阪府泉佐野市)院長の山下静也氏は、(1)絶対リスクの算出方法を変更、(2)二次予防の中でも急性冠症候群やFHなど高リスク患者の管理目標値を70mg/dL未満と明記、(3)睡眠時無呼吸症候群や高尿酸血症などを高リスク病態に追加──したことなどを挙げる。

 これまで絶対リスクは、NIPPON DATA80による冠動脈疾患の10年間の死亡率に基づき算出されていたが、今回、吹田研究による同疾患の発症率に変更。その理由を、山下氏は「NIPPON DATA80の患者登録の時はまだスタチンが承認されていなかった。その後に登場したスタチンにより冠動脈疾患の死亡が減ったため、NIPPON DATA80を用いると死亡率を高めに評価する恐れがあった。また、冠動脈疾患の死亡率は下がっており、発症率を重視すべきと判断した」と説明する。

 リスク評価は、年齢、性別、喫煙、血圧、LDL-Cなどの得点を合計して求める。これがやや煩雑であることから、パソコンや携帯端末で計算できるソフト(アプリ)が開発された。「無料で使用できるので、薬剤師も目の前の患者のリスク評価に使ってほしい。どの危険因子をどの程度改善すれば、発症リスクが下がるかも分かるので、服薬指導の際に役立つはずだ」と、山下氏は語る。


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