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特集◎高まる薬学部定員過剰論《Vol.4》
薬剤師になれない学生が急増

 薬学部新設に、それぞれの地元の期待は高まるが、一方で、近隣県の薬学部関係者の心中は穏やかではないようだ。

 「山口県に公立の薬学部が新設されれば、当校をはじめ中四国・九州地域にある私立薬学部の学生募集に影響が出るのではないか」。福山大学(広島県福山市)薬学部長の鶴田泰人氏は、こう懸念する。同大学には九州地方や山口県出身の学生も多く、学費の安い公立薬学部が新設されれば優秀な学生が流れかねないからだ。

 中四国地域は薬学部が多く、既に定員割れしている大学が複数ある。福山大学も、2012年度に薬学部の入学者数が入学定員の50%にまで落ち込み、13年度は定員を200人から150人に減らした。13年度以降、定員を充足するようになり、16年度は受験倍率2倍、定員充足率103.3%と状況は改善しつつあるが、それでも、奨学生制度の充実など受験生の獲得に余念がない。

 「適正な競争倍率の下で学生の質を担保しなければ、教育レベルも下がり、薬剤師養成という6年制学部の使命を果たせなくなる」と鶴田氏は危機感をにじませる。

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