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第3回 薬局ツールグランプリ結果発表!
最優秀賞◆一包化鑑査を容易にするクリアホルダー
キョーワ調剤薬局桜山店(名古屋市瑞穂区) 恒川 倫子氏

 最優秀賞には、キョーワ調剤薬局桜山店の薬剤師である恒川倫子氏の「一包化鑑査を容易にするクリアホルダー」が選ばれた。市販のクリアホルダーに一包化した一連の薬包紙を挟み、蛍光ペンでチェックしながら行う鑑査作業を効率化するツールだ。

 このツールを作ろうと思った理由を、「一包化の鑑査をしている際に、錠数が多いと錠剤が動いたりして、数えたかどうかが分からなくなってイライラするのを何とかしたかった」と、恒川氏は語る。例えば、白色の錠剤が2種類処方され、それぞれ4錠、3錠といったケースでは、負担感が非常に大きかったという。「ちょうどそのとき、薬局ツールグランプリが開催されているのを知って、この問題を解決するツールを考案して応募しようと思った」と続ける。

 今回のツールで使っているA4サイズのクリアホルダーは通常のタイプではなく、高透明の製品を用いている。印刷物であれば通常タイプでも気にならないが、錠剤の場合は高透明でなければ色や刻印を判別しにくい。透明のカードケースやテーブルクロスなども試したが、チェックに用いるペンのインクをはじきやすく、チェックしたかどうかが分かりにくかったという。

 ペンについても検討した。鑑査後にクリアホルダー上のインクを拭き取る必要があり、水性ペンが適しているが、「細いペンや薄い色のペンは見にくく、ピンク色の蛍光ペンが一番良かった」(恒川氏)。インクを拭き取る際、ティッシュで拭くだけでもよいが、消毒用アルコールを使えば、きれいに拭き取れる。

 鑑査時に用いる薬剤見本に関しては、当初、添付文書にある画像データを基に、恒川氏の判断で薬剤の一覧表を作成し使っていた。しかし、一覧表にない薬剤が処方されるケースもある上、処方ごとに薬剤を探す手間も掛かるという欠点があった。「患者ごとに作ればよいが、個別に表を作成するのも手間だった」と、恒川氏は説明する。薬剤情報提供文書(薬情)には写真だけでなく記号も記載されているので、現在ではこれを活用している。

 当初は、クリアホルダーの上半分に一覧表を置き、下半分でチェックする方式を採用していたが、それだとA4サイズの半分の面しか鑑査に使えない。そこで、薬情を前に立て掛けるようにしたところ、全面使えるので、クリアホルダーに付いたインクを拭き取る手間を半減できたという。

 このツールが適している処方例として、恒川氏は「1包当たり10錠を超え、同じ薬剤が3~4錠含まれているもの」を挙げる。これより少ない錠数であればそもそもイライラ感が少なく、鑑査の時間は短くできても、薬包紙をずらしたりホルダーを拭いたりする手間が掛かるため、トータルでは時間の短縮にはならないからだ。

 恒川氏によれば、このツールを用いて鑑査するのは月に数回程度だという。錠剤が動いてやり直す回数が減るとイライラ感がなくなることに加え、「一包化した薬包紙がくしゃくしゃにならないのもメリットではないか」と話す。

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