「ウーン」と両手であごを支えたまま、誰もいない薬局の投薬台でケンシロウは考え込んでいた。炎天下の午後、クーラーの効いた薬局の大きな窓から外を見ると、近隣のクリニックでは診察が始まっている時間にもかかわらず、患者さんどころか、その駐車場には車1台すら見当たらない。

 再び、ケンシロウのうなり声が聞こえる。姿勢に変化はなく、こちらに気付く様子もない。待合の時計は休憩時間があと20分残っていることを告げており、僕はそっとバックヤードへ戻ろうとした。

 「あっ、ユウさん。今いいっスか?」。振り返ると、ケンシロウはiPad片手に立ち上がっている。僕は開きかけたバックヤードへの扉を閉め、告げられた20分を忘れることにした。

 「腎排泄型薬剤の投与設計のときは、個別eGFRを使うんですよね?」

メトホルミンの添付文書表記は、なぜ標準化eGFRなの?の画像

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