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パルモディアの添付文書を縛るもの

2018/06/08

 「ユウさん、このパルモディアってどう思います?」

 ケンシロウはパルモディアの添付文書を開いているiPadを僕に差し出す。「なんか胆汁排泄型で、今までのフィブラートとは全く違うって聞いたんですけど、添付文書を見る限り、腎臓の禁忌もやっぱりあるし、いままでのフィブラートとあんま変わんないような気がするんスけど……」

 パルモディア、一般名ペマフィブラート。新しいフィブラート系薬剤だ。2017年7月に承認されていたものの、企業と厚労省との間で薬価が折り合わず、17年8月、17年11月と2度も薬価収載が見送られ、2018年5月にやっと薬価収載された、ある意味話題の薬だ。

*パルモディア錠0.1mgは2018年6月1日に発売された。薬価は1錠33.90円(1日薬価67.80円)で、同日時点でリピディル錠80mgと同値が付いている。

 確かにパルモディアの添付文書の冒頭をパッと見ると、腎臓にも禁忌があり、スタチンとは原則禁忌――と、既存薬とよく似ている。極めつけは、このご時世にもかかわらず、薬効分類名が“高脂血症治療剤”だ。なんとまあ。

 表1は、左からベザトールSR(ベザフィブラート徐放錠)、リピディルフェノフィブラート)、パルモディアの添付文書から禁忌と原則禁忌を抜き出して並べたものだ。

表1 ベザトールSR、リピディル、パルモディアの禁忌と原則禁忌(各薬剤の添付文書より、画像クリックで拡大します)

著者プロフィール

山本雄一郎(阪神調剤ホールディンググループ 有限会社アップル薬局[熊本市中央区])
やまもと ゆういちろう氏 1998年熊本大学薬学部卒業。製薬会社でMRとして勤務した後、アップル薬局に入社。2017年4月にアップル薬局が阪神調剤ホールディンググループの一員に。ブログ「薬歴公開byひのくにノ薬局薬剤師。」を執筆中。2017年3月に『薬局で使える実践薬学』(日経BP)を発刊。2017年4月より熊本大学薬学部臨床教授。

連載の紹介

山本雄一郎の「薬局にソクラテスがやってきた」
薬局で患者さんの何気ない言葉にハッとしたり、後輩からの意表を突く質問に筋道立てて説明できなかったりしたこと、ありませんか? そんな臨床現場に転がる疑問の裏には、薬学の根幹を成す真実が隠れていることも。それらの真実を、「薬局薬学のエディター」を志す熱血薬剤師の山本氏がモノローグ調で解き明かします。

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