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トラムセットとプリンペラン併用はいつまで?

2017/06/15

 「最近、食欲が止まらないのよ」と、言い訳にもならない言葉を口にしながらMさんが差し出した処方箋に記載された糖尿病治療薬は、メトホルミン塩酸塩錠500mg(商品名メトグルコ他)からエクメット配合錠HD(一般名ビルダグリプチン・メトホルミン塩酸塩)へと変更になっていた。「あっ、それからお薬手帳。ちゃんと整形外科でもシール貼ってもらってきたから! “痛み止め”と一口に言ってもたくさんあるから、ちゃんとお薬手帳にシールを貼ってもらってきてって、前回ケンシロウ君に怒られたからね」。

 ケンシロウはMさんのお気に入りだ。東京で暮らしているMさん自慢の息子にそっくりらしい。今日はケンシロウが非番であることをMさんに伝えると、ちょっと悲しそうな表情を浮かべた後に、「ケンシロウ君には薬が強くなったことは内緒よ」と破顔一笑するのだった。そんなMさんにとって、ケンシロウに怒られることはきっとうれしいことなのだろう。さて、どれどれ。

著者プロフィール

山本雄一郎(阪神調剤ホールディンググループ 有限会社アップル薬局[熊本市中央区])
やまもと ゆういちろう氏 1998年熊本大学薬学部卒業。製薬会社でMRとして勤務した後、アップル薬局に入社。2017年4月にアップル薬局が阪神調剤ホールディンググループの一員に。ブログ「薬歴公開byひのくにノ薬局薬剤師。」を執筆中。2017年3月に『薬局で使える実践薬学』(日経BP)を発刊。2017年4月より熊本大学薬学部臨床教授。

連載の紹介

山本雄一郎の「薬局にソクラテスがやってきた」
薬局で患者さんの何気ない言葉にハッとしたり、後輩からの意表を突く質問に筋道立てて説明できなかったりしたこと、ありませんか? そんな臨床現場に転がる疑問の裏には、薬学の根幹を成す真実が隠れていることも。それらの真実を、「薬局薬学のエディター」を志す熱血薬剤師の山本氏がモノローグ調で解き明かします。

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