DI Onlineのロゴ画像

「シムビコート=SMART療法」とは限らない

2015/07/29

 「吸入薬の棚位置、変更しますね~」。吸入薬の棚を整理しながら、ケンシロウが独り言をつぶやく。「ステロイドとLABAの配合薬が、最近、一気に増えましたから」。

 当薬局では、アドエア(フルチカゾンプロピオン酸エステル・サルメテロールキシナホ酸塩)、シムビコート(ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物)に加え、昨年の11月に長期処方が解禁されたフルティフォーム(フルチカゾンプロピオン酸エステル・ホルモテロールフマル酸塩水和物)、レルベア(ビランテロールトリフェニル酢酸塩・フルチカゾンフランカルボン酸エステル)が採用となり、ICS(吸入ステロイド)/LABA(長時間作用性β2刺激薬)配合薬だけで一気に4製剤がそろうことになった。各々の製剤で多規格あることに加え、このところ、台風接近の影響のためか、気管支喘息への吸入薬の処方が増えたことも、棚が手狭になってきた要因なのだろう。

 「ユウさん的には、どの配合薬がお薦めですか?」と質問を投げつつ、ケンシロウはひょいひょいと棚位置を変更していく。おっと、そこは高過ぎる。身長180センチのケンシロウはいいかもしれないが、他の薬剤師は背伸びしないと手が届かないだろうに。

 「あ、すんません。オレ的にはやっぱりSMART療法ができるシムビコートがイチ推しですね」。ケンシロウは、シムビコートが入ったボックスを下段にずらした。

 ケンシロウが着目した「SMART療法」。ICS/LABA配合薬の中で唯一、シムビコートだけに認められている。

シムビコートの用法・用量(気管支喘息)
通常、成人には、維持療法として1回1吸入(ブデソニドとして160μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として4.5μg)を1日2回吸入投与する。なお、症状に応じて増減するが、維持療法としての1日の最高量は1回4吸入1日2回(合計8吸入:ブデソニドとして1280μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として36μg)までとする。
維持療法として1回1吸入あるいは2吸入を1日2回投与している患者は、発作発現時に本剤の頓用吸入を追加で行うことができる。本剤を維持療法に加えて頓用吸入する場合は、発作発現時に1吸入する。数分経過しても発作が持続する場合には、さらに追加で1吸入する。必要に応じてこれを繰り返すが、1回の発作発現につき、最大6吸入までとする。
維持療法と頓用吸入を合計した本剤の1日の最高量は、通常8吸入までとするが、一時的に1日合計12吸入(ブデソニドとして1920μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として54μg)まで増量可能である。

著者プロフィール

山本雄一郎(阪神調剤ホールディンググループ 有限会社アップル薬局[熊本市中央区])
やまもと ゆういちろう氏 1998年熊本大学薬学部卒業。製薬会社でMRとして勤務した後、アップル薬局に入社。2017年4月にアップル薬局が阪神調剤ホールディンググループの一員に。ブログ「薬歴公開byひのくにノ薬局薬剤師。」を執筆中。2017年3月に『薬局で使える実践薬学』(日経BP)を発刊。2017年4月より熊本大学薬学部臨床教授。

連載の紹介

山本雄一郎の「薬局にソクラテスがやってきた」
薬局で患者さんの何気ない言葉にハッとしたり、後輩からの意表を突く質問に筋道立てて説明できなかったりしたこと、ありませんか? そんな臨床現場に転がる疑問の裏には、薬学の根幹を成す真実が隠れていることも。それらの真実を、「薬局薬学のエディター」を志す熱血薬剤師の山本氏がモノローグ調で解き明かします。

この記事を読んでいる人におすすめ