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「PPI抵抗性GERD」に対するPPI投与の最適化

2015/05/08

 「ユウさん、新しくいらした消化器のK先生に会いました?」患者さんの波が途切れた午後3時。あゆみさんからの問い掛けで、4月から近くの病院に赴任した消化器内科のドクターに、まだ挨拶していなかったことを思い出す。

 「K先生、PPIの使い方が独特なんですよね。食前だったり食後だったり、1×だったり2×だったり。一度、疑義掛けたんですけど、『そのままで』って言われてしまって」

 なるほど。新しいドクターはかなり勉強しているようだ。早いところ挨拶に行かなくては。

 僕が真顔で黙っているのを見て、あゆみさんは取り繕うように慌てて語を継いだ。「やっぱり、用法にもちゃんと意味があるんですよね。PPIは変更か増量か、ぐらいだと思ってましたけど」

 高齢社会の到来に加え、食生活の欧米化に伴う肥満の増加、そして、ヘリコバクター・ピロリ菌(H.pylori)の感染率の低下などを背景に、GERD胃食道逆流症)の有病率は増加の一途をたどっている。今後、ますますPPI(プロトンポンプ阻害薬)の使用量は増えていくだろう。ちょうどいい機会だ、今日はPPIの効果的な使い方についてまとめてみよう。

なお、ここでは既存のPPIについてのみ紹介する。昨年承認された、新たな作用機序を有するボノプラザンフマル酸塩(商品名タケキャブ)に関しては、次回解説したい。

著者プロフィール

山本雄一郎(阪神調剤ホールディンググループ 有限会社アップル薬局[熊本市中央区])
やまもと ゆういちろう氏 1998年熊本大学薬学部卒業。製薬会社でMRとして勤務した後、アップル薬局に入社。2017年4月にアップル薬局が阪神調剤ホールディンググループの一員に。ブログ「薬歴公開byひのくにノ薬局薬剤師。」を執筆中。2017年3月に『薬局で使える実践薬学』(日経BP)を発刊。2017年4月より熊本大学薬学部臨床教授。

連載の紹介

山本雄一郎の「薬局にソクラテスがやってきた」
薬局で患者さんの何気ない言葉にハッとしたり、後輩からの意表を突く質問に筋道立てて説明できなかったりしたこと、ありませんか? そんな臨床現場に転がる疑問の裏には、薬学の根幹を成す真実が隠れていることも。それらの真実を、「薬局薬学のエディター」を志す熱血薬剤師の山本氏がモノローグ調で解き明かします。

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