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「リバロは2mg隔日投与より、1mg連日投与の方が良くないですか?」

2014/04/15

 「今日からコレステロールの薬は2日に1回でいいんですって」と、笑顔で処方箋を差し出すSさん(74歳・女性)。うれしそうだ。Sさんは至って健康。ただ、若い頃からコレステロールだけは高く、ストロングスタチンのリバロ錠2mg(一般名ピタバスタチンカルシウム)の服用を続けている。ちなみに、リバロの隔日投与は適応外処方である。

 「2日に1回でいいって、Sさん、うれしそうでしたね」。ケンシロウは、足取り軽く薬局を後にするSさんに視線を送ったまま、僕にそう言った。彼もうれしそう。患者がうれしそうな時は笑顔になり、悲しそうな時はオロオロする。見ていてひやひやする時もあるけれど、患者の気持ちに寄り添えるのは、ケンシロウの良いところだ。

 だが、ケンシロウは着席するや否や、スマホで何やら検索し始めた。どうやらリバロの添付文書を確認しているようだ。そして、神妙な面持ちで僕にこう尋ねてきた。

 「リバロの半減期って、11時間くらいですよね。2日に1回なら、48÷11=4.36……って、これじゃあ定常状態にならないですよ。1mg錠を毎日飲んだ方がいいんじゃないですか?」

 さすがはケンシロウ。薬物血中濃度が定常状態に達するかどうか、それは投与間隔と消失半減期の比で決まる。

Ritschel理論
投与間隔/消失半減期≦3 …… 定常状態になる
投与間隔/消失半減期≧4 …… 定常状態にならない
(半減期の5倍の時間にわたって連続投与をした場合)

著者プロフィール

山本雄一郎(阪神調剤ホールディンググループ 有限会社アップル薬局[熊本市中央区])
やまもと ゆういちろう氏 1998年熊本大学薬学部卒業。製薬会社でMRとして勤務した後、アップル薬局に入社。2017年4月にアップル薬局が阪神調剤ホールディンググループの一員に。ブログ「薬歴公開byひのくにノ薬局薬剤師。」を執筆中。2017年3月に『薬局で使える実践薬学』(日経BP)を発刊。2017年4月より熊本大学薬学部臨床教授。

連載の紹介

山本雄一郎の「薬局にソクラテスがやってきた」
薬局で患者さんの何気ない言葉にハッとしたり、後輩からの意表を突く質問に筋道立てて説明できなかったりしたこと、ありませんか? そんな臨床現場に転がる疑問の裏には、薬学の根幹を成す真実が隠れていることも。それらの真実を、「薬局薬学のエディター」を志す熱血薬剤師の山本氏がモノローグ調で解き明かします。

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