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新連載!山本雄一郎の「薬局にソクラテスがやってきた」
「半減期24時間のユーロジンって、飲むと1日中眠いんですか?」

2014/01/21

 古代ギリシャの哲学者・ソクラテスが考案した「問答法」をご存じだろうか。問答法とは、教師が無知を装って生徒に質問を投げ掛け、生徒がそれに答えようと奮闘することを通じて真実を探求していく手法のことだ。

 薬局の日常には、患者さんや後輩薬剤師からの「なぜ」「なに」にあふれている。意表を突く質問に、返答に詰まることもしばしばだ。だが、質問を頭の中で反芻するうちに、薬学の根幹を成す薬理学、薬物動態学、製剤学の真実がひっそりと隠れていることにふと気づく。

 そんなとき僕は、「コイツは僕に問答法を挑んでいるソクラテス(の亡霊)に違いない」と勝手に思い、ならば受けて立とうと躍起になる。本コラムは、そんな臨床現場に転がる疑問符に対し、僕なりに答えを追究してまとめたものだ。

 では早速、第1回の質問に答えていきたい。

 * * * * *

 「半減期24時間のユーロジンって、飲むと1日中眠いんですか?」

 ある日、勉強熱心な新人薬剤師・あゆみさん(仮名)が、「いかにも納得がいかない」という顔つきで僕にそう聞いてきた。唐突だったので、質問の意味を理解するのに少し時間が掛かる。

 まずはユーロジン(一般名エスタゾラム)の簡単なプロフィールをおさらいすると、

著者プロフィール

山本雄一郎(阪神調剤ホールディンググループ 有限会社アップル薬局[熊本市中央区])
やまもと ゆういちろう氏 1998年熊本大学薬学部卒業。製薬会社でMRとして勤務した後、アップル薬局に入社。2017年4月にアップル薬局が阪神調剤ホールディンググループの一員に。ブログ「薬歴公開byひのくにノ薬局薬剤師。」を執筆中。2017年3月に『薬局で使える実践薬学』(日経BP)を発刊。2017年4月より熊本大学薬学部臨床教授。

連載の紹介

山本雄一郎の「薬局にソクラテスがやってきた」
薬局で患者さんの何気ない言葉にハッとしたり、後輩からの意表を突く質問に筋道立てて説明できなかったりしたこと、ありませんか? そんな臨床現場に転がる疑問の裏には、薬学の根幹を成す真実が隠れていることも。それらの真実を、「薬局薬学のエディター」を志す熱血薬剤師の山本氏がモノローグ調で解き明かします。

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