
外務の仕事をしていると、多角的な視野を持つことができます。そして、何より楽しい!是非一緒に活動をして、学校の外でも楽しい勉強しにいきませんか?
こんにちは。日本薬学生連盟で外務統括を務めます上島実佳子です。「外務」は、日本薬学生連盟と他の学生団体、職能団体との連絡窓口を担っています。そのため、薬学にとらわれず多くの分野の他学生、社会人と接する機会があります。
私は、姉が重度心身障がい者であったこともあり、障がい者と共に生きてきました。実家から離れた今も、障がい者スポーツに関わるなど、障がい者と一緒にいる機会を持っています。今回は、そんな私が、薬学生として感じることを書きたいと思います。
突然ですが、障がいを持つ薬学生を取り巻く環境がどんなものか、ご存じですか?
例えば車椅子ユーザーの薬学生は、実習先や就職先を見つけるのが難しいのが現状です 。薬局が狭く、棚が高くてピッキングができないからと、ハード面での受け入れが無理だと言われることがほとんどのようです。もちろん、実習先や就職先が全く見つからないということはありませんが、例えば障がいのない薬学生は100の受け入れ先があるとすれば、障害のある薬学生は50しかないといった状況です(この数字はあくまで例えであり、学校により違うので一概には言えません)。
私が彼らと関わっていて思うことは、「障がいのない人と比べて、できないことがあるかもしれないが、皆よりできることが絶対にある」ということです。ピッキングができない代わりに、誰よりも患者さんの気持ちが分かるかもしれません。もしかしたら、皆より何倍もコミュニケーションを取ることが得意かもしれません。注意力や集中力が長けていて、間違えに気付くことが得意かもしれません。
「歩く」という1つができなくても、他のことが人よりできるのであれば、その人がそこにいる意味があります。チームは「バラバラな力を持った人たちの集合体」です。誰かができないなら、それを補う仲間がいる――。車椅子だからと、見掛けだけで安易に判断しないでほしいと願っています。
薬局は障がい者の“小さな依存先”に
様々な方とお話していると、「障がい者は自立していない」と言われます。でも私は、そうは思いません。
健常者の私はどうでしょうか? 私はたくさんの人に少しずつ依存して生活しています。つまり、健常者が「自立している」のは、小さな依存先が多数あるということです。一方、障がい者が「自立していない」ように見えるのは、依存先が少ないために、1カ所への依存が大きくなってしまうからです。私の経験から言えば、健常者の方が他人への依存度が高いと思います。