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薬学生が学会に参加する意義はどこにある?
日本薬学生連盟学術委員長 日高玲於

2014/07/15

2014年6月13、14日に国立がん研究センター築地キャンパスで開催された「がん予防学術大会2014東京」の学会ツアー。

 DI Onlineをご覧の皆様、はじめまして。2014年度日本薬学生連盟学術委員長を務めます北里大学薬学部薬学科5年の日高玲於と申します。

 「学会に参加する」といったときには主に、所属する学会の学術集会や年次大会などの会場に出向き、口頭発表やポスター発表を聞きに行く「傍聴」と、自らが口頭やポスターで「発表」する2つの意味があると思います。私たち学術委員会では、学生を集めて学会を傍聴しに行く「学会ツアー」(写真)や、委員会の学生がアンケートを実施して結果をポスターなどにまとめて学会で発表する「学会発表」などの活動を行っています。

「学会を知らない」薬学生
 薬学生にとって、学会は非常に遠い存在です。それは薬学生が「学会を知らない」からです。この「学会を知らない」には、そもそも「学会という存在」を知らないという意味と、「学生が学会に参加していいのか」を知らないという意味の2つがあると思います。年次が進むにつれて後者が多くなります。実際、「学会って学生が参加していいの?」という声は、多くの薬学生から聞かれます。

 そして薬学生の最も一般的な悩みの一つに、「大学で学んでいる内容が、現場に出てからどのように役に立つかが分からない」ということがあります。これが大学での勉強のモチベーション低下につながっています。私たちは、この悩みを解決する場として「学会」があると考えています。学会は、現場で活躍する専門家が集まり、ご自身の活動や考え方、実践した結果などを発表する場です。そこには、「大学で学んでいる内容が、現場でどのように役に立つのか」が凝縮されていると思います。

 日本の薬学生は、大学によって差はありますが、3年次から5年次で研究室に正式に配属され、6年次で卒業研究発表をします。弊団体の代表、阿部が書いた通り、6年次のスケジュールは大学によりまちまちではありますが(2014.6.9「『国試に通りさえすれば同じ薬剤師』って、本当ですか?」)、大学内での発表とは別に、学会で発表をさせる研究室も多くなってきました。

 そして、ほとんどの薬学生は、6年生の卒業研究をポスター発表しますが、学会に参加するタイミングはそれだけです。自分の卒業発表で参加したとしても、その後も継続して学会に参加するケースは、ほとんどないと思います。

 私は、学会発表の価値は大きく4つあると考えています。
(1)テーマ設定や先行研究を調べる際などで「専門知識」の習得
(2)1つの発表にまとめる際での「論理的思考」の実践
(3)発表で相手に伝えるための「プレゼンテーション能力」の向上
(4)学会という場で発表する「社会発信」

 これらは薬剤師の専門性として非常に重要であり、だからこそ薬学生のうちに、これらに触れる意味があるのではないでしょうか。とはいえ、これらはたった一度の卒業研究で体得できるものではありません。薬学生のうちから、より意識して学び取らなければいけないものだと思います。

著者プロフィール

日本薬学生連盟(http://apsjapan.org/
日本で唯一、国際薬学生連盟(IPSF)に加盟する全国規模の薬学生団体で、旧「薬学生の集い」より名称変更して2011年に発足。13年4月に一般社団法人になりました。世界会議への参加や、公衆衛生活動、薬学教育に関する活動など、多岐にわたる活動の企画・運営を全て学生が担っています。

連載の紹介

日本薬学生連盟の「薬学生の主張」
日本薬学生連盟で企画、運営に携わる執行部のメンバーが、大学生活や、団体での活動を通して、日ごろ感じていることを、薬学生の目線で書き連ねます。

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