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「事情聴取」を受けました

2011/04/07

当直用のベッド。夜9時ごろ折りたたみ式のパイプベッドを出してきて、適当にシーツを引く。横になるのはだいたい午前2時ごろ。

 「中毒の本持って、なるべく上の人が来て」

 なんとも奇妙な呼び出し電話が鳴った金曜日の午後。外来は落ち着いていて、処方もあまり入っていなかった。薬局長は当直明けで午前中に帰ったので、私が出向くことになった。

 指定された部屋に行くと、副院長と知らない男性が2人、会話していた。片方は40歳前後、もう片方は25くらいだろうか。なんだか背筋のぴしっとしている人たちだなと感じた。

 年嵩の方が、私に向かって「こういうものです」と名刺を差し出した。それを認識する前に副院長が「警察の方たちなんだけど」と補足する。若い刑事は、その武骨な手からは想像できないような綺麗な字で、ノートを書き続けている。

著者プロフィール

とみの ひろみつ氏 東京理科大学薬学部卒。天然物化学専門だったが、研究に挫折して薬剤師として薬局に勤務。その後、薬局勤務を続けながら、ウェブクリエーター、ライターなどとして活動。2004年より千葉県の総合病院薬剤部に勤務し、現在は関連病院に赴任。執筆活動も継続中。趣味は音楽ゲームとプロ野球観戦。

連載の紹介

富野浩充の「当直室からこんばんは」
病院薬剤師として勤務する富野氏が、クスッとできて、時にホロリとし、たまにムカッとしてしまう病院業務の日常を赤裸々に綴ります。薬のことにはほとんど触れない個人のホームページはこちら登場人物の名前は全て架空のものです。内容は事実を元に再構成したフィクションです。

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