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ビスホスホネート系薬の副作用

2013/01/11

■はじめに


 今回は、ビスホスホネート製剤による副作用の特徴と、高頻度で問題となる過量服用や飲み忘れについて解説します。

 過量服用や飲み忘は患者が間違えることが問題になります。今冬、ボナロン経口ゼリーが発売される予定ですし、月1回服用製剤のアクトネル75mg錠、ベネット錠75mg錠も2012年12月25日に製造販売承認を取得し、近く発売される見通しです。このように規格が増えると間違いを起こしやすくなるため、より注意が必要になります。
 
 服用方法が煩雑ですし、服薬状況が悪くなる薬剤でもあるので、誤った服用をした場合について解説します。製薬会社によって対応も異なると思いますので、今回は、商品名で記載します。

 なお、薬剤師の説明に過剰に反応して、服用後は何もしてはいけないと(上体を寝かせなければ良いだけなのに)勘違いする患者もいるので、飲み方の注意のみならず、その意味を初回はきちんと伝えるべきでしょう。

■副作用について


◎顎骨壊死
 下顎の方が上顎よりも高頻度で発生します。下顎骨に3分の2、上顎骨に3分の1の割合で起きるという報告もあります。

 顎骨壊死については、ビスフォスフォネート関連顎骨壊死検討委員会がポジションペーパーを公開しています。

「ビスフォスフォネート関連顎骨壊死に対するポジションペーパー」
http://jsbmr.umin.jp/pdf/BRONJpositionpaper2.pdf

 この中から、予防策、リスファクター、休薬に関するコメントを抜粋し、若干修正を加えて以下に掲載します。

ビスホスホネート(以下BP)製剤投与予定の患者、特にBP製剤が注射用である場合は、投与前に口腔衛生状態を良好に保つことの重要性を認識してもらうと同時に、口腔内診査にて顎骨壊死(BRONJ)のリスクファクターとなる要因をチェックしておく。可能であれば歯科治療が終了し、口腔状態の改善後にBP製剤投与を開始する。

 一方、BP製剤の休薬がBRONJ発生を予防するという明らかな臨床的エビデンスもない。

 経口BP製剤投与中の患者に対しては、侵襲的歯科治療を行うことについて、投与期間が3年未満で、他にリスクファクターがない場合はBP製剤の休薬は原則として不要であり、侵襲的歯科治療を行っても差し支えないと考えている。しかし、投与期間が3年以上、あるいは3年未満でもリスクファクターがある場合には判断が難しく、処方医と歯科医で主疾患の状況と侵襲的歯科治療の必要性を踏まえた対応を検討する必要がある。

 BP製剤の休薬が可能な場合、その期間が長いほど、BRONJの発生頻度は低くなるとの報告があり、骨のリモデリングを考慮すると休薬期間は3カ月程度が望ましい。抜歯など侵襲的歯科治療後のBP製剤の投与再開までの期間は、術創が再生粘膜上皮で完全に覆われる2~3週間後か、十分な骨性治癒が期待できる2~3カ月後が望ましい。また、BP製剤の休薬か否かを決定する際には、医師・歯科医師と患者との十分な話し合いによりインフォームドコンセントを得ておくことが肝要である。

著者プロフィール

笹嶋勝(日本メディカルシステム株式会社〔東京都中央区〕)
ささじま まさる氏。大学病院でDI(医薬品情報管理)業務の責任者として8年間勤務した後、現在は、薬局チェーン「日本メディカルシステム」の学術部門長として勤務。東京薬科大学薬学部客員教授。

連載の紹介

笹嶋勝の「クスリの鉄則」
過去に自ら経験した症例やDI業務の中で収集した膨大な情報を基に、医薬品を安全かつ有効に使うために必ず押さえなければいけないポイントを整理し、後進の指導に活かしてきた笹嶋氏。本コラムでは、そのエッセンスを「クスリの鉄則」として紹介していきます。

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