DI Onlineのロゴ画像

抗菌薬(6)
セフェム系薬の分類と注意点

2012/08/20

■はじめに


 本コラムは薬局薬剤師の方向けに作成しているので、入院を要する重篤な感染症や注射剤については、原則触れません。また、病院薬剤師がよく用いる『サンフォード感染症治療ガイド』もほとんど参考にしていません。薬局の日常業務で知っておいた方がよいと思われる事項について、簡潔に解説します。

■セフェム系薬の治療効果


 セフェム系薬の治療効果は時間依存性といわれ、最大血中濃度(Cmax)を高くするよりも、血中濃度が最小発育阻止濃度(MIC)以上となっている時間を長くすることが重要です。1日の40%以上の時間がMICを超えている必要があるので、高用量を単回投与するよりも、必要量を頻回に投与した方がよいことになります。

◎呼吸器疾患
 肺炎桿菌やペニシリン耐性の肺炎球菌に用いられますが、肺炎球菌はセフェム系薬に高度耐性株が増えています。また、細胞壁を持たないマイコプラズマやクラミジアには効果を示しません。

◎泌尿器科疾患
 急性単純性膀胱炎には、ニューキノロン系薬とともに第3世代のセフェム系薬がよく用いられます。一方で、小児の尿路感染予防のために少量長期投与するには、第1世代のセファレキシン(略号CEX、一般名ケフレックス他)やセファクロル(CCL、ケフラール他)が用いられます。

◎皮膚科疾患
 黄色ブドウ球菌による感染症に用いられます。

◎歯科領域
 セファレキシンやセファクロルがよく用いられていましたが、口腔レンサ球菌や嫌気性菌にはほとんど効果がなく、最近ではあまり用いられません。

著者プロフィール

笹嶋勝(日本メディカルシステム株式会社〔東京都中央区〕)
ささじま まさる氏。大学病院でDI(医薬品情報管理)業務の責任者として8年間勤務した後、現在は、薬局チェーン「日本メディカルシステム」の学術部門長として勤務。東京薬科大学薬学部客員教授。

連載の紹介

笹嶋勝の「クスリの鉄則」
過去に自ら経験した症例やDI業務の中で収集した膨大な情報を基に、医薬品を安全かつ有効に使うために必ず押さえなければいけないポイントを整理し、後進の指導に活かしてきた笹嶋氏。本コラムでは、そのエッセンスを「クスリの鉄則」として紹介していきます。

この記事を読んでいる人におすすめ