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トリプタン系薬剤(1)
トリプタンの作用時間と痛みの再発

2011/06/20

 片頭痛の治療に用いられるトリプタン系薬剤は、日本では5成分が使用できます。薬理作用は似ていますが、作用時間や副作用に差がありますし、薬物動態にも大きな差があります。

 今回は、トリプタン製剤の作用の違いについて解説し、次回は、副作用や相互作用の特徴について解説したいと思います。


■片頭痛治療の基本

 片頭痛は、女性に多いタイプの頭痛です。発作が起きた時の急性期治療と予防の両方があります。発作予防が行われるのは、発作が月2回以上ある場合、急性期治療で日常生活に支障を来す場合、急性期治療薬が使用できない場合などです。

 急性期治療では、症状が軽い場合にはNSAIDs等が用いられますが、中等度以上になるとトリプタン系薬剤が用いられます。


■作用持続時間と作用発現時間

 PK/PD解析のデータによると、理論的な作用時間は、ナラトリプタンが約18時間と最も長く、一番短いリザトリプタンでも約2時間です(下表)。

 作用発現までの時間が最も早いと言われるのは、スマトリプタンの注射剤ですが、経口薬に比べると、使い方はやや煩雑です。経口薬の中ではリザトリプタンも作用発現が早いと言われ、急激に痛みが強くなる患者に向いていると考えます。

著者プロフィール

笹嶋勝(日本メディカルシステム株式会社〔東京都中央区〕)
ささじま まさる氏。大学病院でDI(医薬品情報管理)業務の責任者として8年間勤務した後、現在は、薬局チェーン「日本メディカルシステム」の学術部門長として勤務。東京薬科大学薬学部客員教授。

連載の紹介

笹嶋勝の「クスリの鉄則」
過去に自ら経験した症例やDI業務の中で収集した膨大な情報を基に、医薬品を安全かつ有効に使うために必ず押さえなければいけないポイントを整理し、後進の指導に活かしてきた笹嶋氏。本コラムでは、そのエッセンスを「クスリの鉄則」として紹介していきます。

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