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アレルギー治療薬(その1)
第1世代抗ヒスタミン薬を比較する

2010/12/20

 花粉症のシーズンを控え、今回から3回に分けて、アレルギー治療薬について解説したいと思います。

 【その1】では「第1世代抗ヒスタミン薬」を、【その2】は、抗アレルギー薬に分類されたり、H1受容体拮抗薬と呼ばれることもある「第2世代抗ヒスタミン薬」を、【その3】では、その他の抗アレルギー薬を取り上げていきます。

■抗ヒスタミン薬について

 抗ヒスタミン作用は、かゆみを抑えるのに非常に有効ですが、中枢のヒスタミンH1受容体が遮断されると眠気が起きます。第1世代抗ヒスタミン薬では、投与された量の50%以上が中枢に移行して脳内H1受容体と結合すると言われています。これに対し、第2世代抗ヒスタミン薬は、それが30%以下と低く、中枢神経系の副作用が起こりにくく改良されています。

 したがって、特に第1世代抗ヒスタミン薬では、日中の眠気が危険ですから、初めての処方の場合には、風邪薬や酔い止めで眠くなることはないか聞いておくのが無難かと考えます。

 また抗ヒスタミン薬は、ヒスタミン受容体と構造の似たアセチルコリン受容体にも結合し、抗コリン作用を示します。第1世代の抗ヒスタミン薬は、すべて「緑内障」「前立腺肥大等の下部尿路の閉塞性疾患」が禁忌とされています。特に緑内障の患者に対しては、医師から「飲んではいけない薬があると聞いているか」と確認しておくとよいでしょう。


■ジフェンヒドラミン塩酸塩(商品名:ベナ、レスタミンほか)

 ドリエルなど、この成分を含むOTCの催眠鎮静薬が複数が販売されていることからもわかるように、非常に眠気が強く現れる薬剤です。海外では、自殺目的で過量服用する人がいます。かつて発売されていた書籍『完全自殺マニュアル』にも紹介されていました。

 よほどの大量を服用しなければ大丈夫ですが、そういうリスクのある薬剤であるという認識は必要かと思います。また、抗コリン作用が非常に強い点にも要注意です。

 医療用では、2010/8/20の本コラムで記載したように、抗癌剤である「パクリタキセル注」などの投与前に投与されることがあります。「1日1回 5錠 1日分」のような処方です。


■クレマスチンフマル酸塩(商品名:タベジールほか)

 「1歳未満の乳児に使用する場合には、体重、症状などを考慮して適宜投与量を決める」とされており、乳幼児でも使用可能な薬剤です。ただし、発熱している小児に投与すると、けいれんや興奮を起こすことがあるので、注意が必要です。

 また調剤においては、0.1%散と1%散が存在するので、取り違えミスに注意が必要です。

著者プロフィール

笹嶋勝(日本メディカルシステム株式会社〔東京都中央区〕)
ささじま まさる氏。大学病院でDI(医薬品情報管理)業務の責任者として8年間勤務した後、現在は、薬局チェーン「日本メディカルシステム」の学術部門長として勤務。東京薬科大学薬学部客員教授。

連載の紹介

笹嶋勝の「クスリの鉄則」
過去に自ら経験した症例やDI業務の中で収集した膨大な情報を基に、医薬品を安全かつ有効に使うために必ず押さえなければいけないポイントを整理し、後進の指導に活かしてきた笹嶋氏。本コラムでは、そのエッセンスを「クスリの鉄則」として紹介していきます。

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