6月10日の本コラムで、ワルファリンについて解説しましたが、2ページにわたる内容であったにもかかわらず、十分に書ききれなかった重要なポイントがあります。それは、相互作用です。
ワルファリンの服用患者が他科を受診をする際には、ワルファリンを服用している旨を医師に伝えることが大切です。そして、他科で薬が追加・削除されたり、それまでの投与量に変更があった場合には、その旨をワルファリン処方医が把握する必要があります。そして、併用薬の影響については、血液凝固能を測定し、その変動をモニタリングしていくことになります。
しかし薬局薬剤師としては、「その併用薬とワルファリンとの相互作用が、どのくらいシビアなのか」が気になるところです。他科での処方に変更があった場合に、そのすべてをワルファリン処方医に連絡するというのは現実的ではありませんし、どのくらいの影響があるのかを具体的に伝えないと、医師への確認がしにくい現実があります。
その影響度を調べようと、いざ添付文書を見ても、「本剤の作用を増強する」「本剤の作用を減弱させる」といった程度の記載しかなく、あまり参考にはなりません。
そこで今回は、エーザイ株式会社発行の『Warfarin 適正使用情報 第3版』(2006年)に詳細に記載されている「医薬品との薬物相互作用」の内容を引用しながら、相互作用のリスクについてまとめてみました。(本書のPDF版は、こちらからダウンロード可能)
以下では、DRUG INTERACTION FACTS(2004)のSeverity(重篤度)分類において、リスク大(Major)についてはほぼすべて、リスク中(Moderate)については、他文献でもリスクが中程度であるとされるものを選び、それぞれにコメントも付しましたので、参考にしてください。
このリストに挙げられている薬剤が、ワルファリン処方医とは別の医師から処方され、そのことをワルファリン処方医が把握していなければ、必ず連絡すべき、というのが私の考えです。
※以下、ワルファリンはWFと省略します。
※記載のない薬剤に相互作用がないというわけではありません。
生命に危険を及ぼす相互作用、もしくは永続的な損傷の可能性のある相互作用