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抗癌剤(その1):総論
抗癌剤の用法・用量はどうチェックする?

2010/08/10

 抗悪性腫瘍剤(抗癌剤)は、ハイリスク薬の中でも、チェックの非常に難しい薬剤です。

 従来、入院して治療を行わなければなかった癌患者が、薬学の進歩により、外来通院で治療できるようになりました。最近は、外来化学療法を実施している施設が非常に多くなっています。

 病院薬剤師は、この癌の外来化学療法に関して、病院内での処方鑑査や薬剤調製などに非常に熱心に取り組んでいます。しかし一方で、インスリン以外の注射剤をほとんど扱ってこなかった多くの薬局薬剤師は、「注射剤のことはよくわからない……」という状況に陥っています。

 現代の癌化学療法では、病院で投与される注射剤と、薬局で調剤する内服薬を組み合わせて治療することが多くなっています。しかし薬局では、処方せんに書かれた内服薬のことしかわかりません。病院で投与された注射剤に関しての情報はないし、知識も十分にないことが多い。それでは当然、病院薬剤師が行うような厳密な管理が行えるわけがありません。

 病院と薬局の双方の事情を詳しく知る人間の一人として、これは大きな社会問題だと考えています。

 このような事態が起こるのは、癌化学療法のレジメンを公表している病院がまだまだ少ないことや、注射剤に関する薬情などがほとんどないことが一因です。レジメンとは、支持療法をも含めた薬物治療計画書のようなものです。処方せんに、レジメン名やレジメンの内容が書かれていればいいのですが、実際には書かれていません。

 さらに言えば、癌患者はインフォームドコンセントの際に、化学療法に関して詳細な説明を受けているはずですが、自身の受けている治療の詳細について、薬局薬剤師に積極的に語ってくれる患者は非常に少ないのが現状です。

 このような、いわば完全にアウェイな状況で、薬局薬剤師は抗癌剤の何をチェックすれば良いのでしょうか。以下は、私の個人的な考えです。抗癌剤の一般論として、特に、見逃されやすい部分について触れてみます。

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著者プロフィール

笹嶋勝(日本メディカルシステム株式会社〔東京都中央区〕)
ささじま まさる氏。大学病院でDI(医薬品情報管理)業務の責任者として8年間勤務した後、現在は、薬局チェーン「日本メディカルシステム」の学術部門長として勤務。東京薬科大学薬学部客員教授。

連載の紹介

笹嶋勝の「クスリの鉄則」
過去に自ら経験した症例やDI業務の中で収集した膨大な情報を基に、医薬品を安全かつ有効に使うために必ず押さえなければいけないポイントを整理し、後進の指導に活かしてきた笹嶋氏。本コラムでは、そのエッセンスを「クスリの鉄則」として紹介していきます。

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