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アロプリノール:腎機能低下の疑義照会は積極的に

2010/03/10

 高尿酸血症の治療に使用される尿酸生成抑制薬のアロプリノール(商品名:ザイロリックほか)は、非常に使用頻度の高い薬剤の一つです。一般には、副作用が少ないと言われていますが、まれに起こる副作用の中には非常に重篤なものがあり、決して侮ってはいけない薬剤です。

 特に、腎機能障害のある方では、腎機能が正常の人よりも、再生不良貧血のような重大な副作用が現れやすいことが知られています。実際、かなり前になりますが、1988年7月には『緊急安全性情報』が発行され、注意が喚起されています。活性代謝物である、オキシプリノールの排泄が遅延することによって、副作用が発現すると考えられています。

 腎機能障害のある方では、そのほかに、肝障害などの副作用発症頻度も高いと言われていますから、アロプリノールの投薬時には、患者に腎機能障害がないかどうかをきちんと確認しなければなりません。実際、腎機能が低下した高尿酸血症の患者に、健常人と同等の量でアロプリノールが処方されていることを発見し、疑義照会をして減量となった事例を筆者は数多く経験しています。

 やっかいなのは、この薬を飲む患者は、腎機能が低下した方も多いということです。腎機能が低下すると、尿酸排泄が低下するため、尿酸値が高くなる傾向があるからです。ですから、腎機能の低下の程度によって、アロプリノールの投与量をどの程度に調整するか、といった指針がないと、投与量が適正かどうかを判断できません。

 ですが、添付文書の「用法及び用量」には、

通常、成人は1日量アロプリノールとして200~300mgを2~3回に分けて食後に経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。

著者プロフィール

笹嶋勝(日本メディカルシステム株式会社〔東京都中央区〕)
ささじま まさる氏。大学病院でDI(医薬品情報管理)業務の責任者として8年間勤務した後、現在は、薬局チェーン「日本メディカルシステム」の学術部門長として勤務。東京薬科大学薬学部客員教授。

連載の紹介

笹嶋勝の「クスリの鉄則」
過去に自ら経験した症例やDI業務の中で収集した膨大な情報を基に、医薬品を安全かつ有効に使うために必ず押さえなければいけないポイントを整理し、後進の指導に活かしてきた笹嶋氏。本コラムでは、そのエッセンスを「クスリの鉄則」として紹介していきます。

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