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基準薬局の“くるくる看板”にスイス大使館から抗議<後編>

2015/09/24

 基準薬局の“くるくる看板”の試作品を作ったところ、外務省を通じてスイス大使館からまさかの抗議を受けた。そこで私は、できたばかりの看板を担いでスイス大使館に押し掛けた(前編はこちら)。

 スイス大使館では、駐日スイス公使のロジェー・ペア氏が対応してくださった。私は、挨拶もそこそこに「一体、この看板のどこが悪いのか」と詰め寄った。「色なのか、形なのか、くるくる回ることなのか」と――。

 するとペア氏は、赤字に白抜きの十字は、スイス連邦の国旗と同じ配色であり、その配色を使うことがいけないという。

 赤十字の標章は、スイス連邦の国旗の配色を反転して作成されている。そのためスイス国旗は、国際的に特別な扱いがなされており、戦地での傷病者保護条約であるジュネーブ条約で、スイス国旗やそれを模倣した記章を使用することは禁止されているというのだ。

 つまり問題は色であって、形やくるくる回ることは問題ないと聞いた私は、日薬に帰って、幾つものパターンの色見本を作った。そして後日、再びスイス大使館のペア氏を訪れ、色見本を広げ、「どれなら良いのか。あなたの好みも含めて、良いと思うものを教えてほしい」と頼んだ。

著者プロフィール

佐谷圭一(日本薬剤師会元会長/アスカ薬局)さや けいいち氏 1961年、明治薬科大学卒業。薬局勤務を経て、63年アスカ薬局(東京都練馬区)開局。74年日本薬剤師会常務理事に就任、95年から98年まで中央社会保険医療協議会委員を務め、98年から2002年まで日本薬剤師会会長。現在は同会顧問。著書に『十文字革命』(薬事日報社)など。

連載の紹介

佐谷圭一の「故きを温ねて新しきを知る」
過去があるから今がある。そして歴史は繰り返される——。院外処方箋発行率が10%に満たない時代から医薬分業を推し進めてきた元日薬会長の佐谷氏が、今の薬局・薬剤師業界で話題になっている出来事について、先人たちの営みを振り返りながら解説します。

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