カルシウム拮抗薬のカルブロック(一般名アゼルニジピン)とアゼルニジピン配合薬であるレザルタス配合錠(オルメサルタンメドキソミル・アゼルニジピン)で、禁忌の項目が改訂され、投与経路や商品名が具体的に記載されました。これまでは「アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール、ミコナゾール等)」でしたが、今回、アゾール系抗真菌剤の「外用剤を除く」と追記され、具体的な一般名として「フルコナゾール、ホスフルコナゾール、ボリコナゾール」が追加されました。
また、ヴィキラックス配合錠(オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル)の添付文書には、アゼルニジピンは禁忌との記載が以前からありましたが、今回、カルブロックやレザルタスの添付文書にも「ヴィキラックス」が禁忌に追加されました。その他にも、具体的な一般名や販売名が禁忌、併用禁忌において追記されています。
前立腺癌治療薬のザイティガ(アビラテロン酢酸エステル)は、白色の素錠からピンク色のフィルムコート錠になりました。この変更により「光安定性」が向上し、添付文書の貯法に記載されていた「遮光」との記載が削除されています。フィルムコート錠の出荷は、2017年4月下旬以降となっています。
ヒト抗PCSK9モノクローナル抗体薬のレパーサ皮下注ペン(エボロクマブ[遺伝子組換え])は、2017年5月から在宅自己注射指導管理料の算定が可能になりました。同薬については、ペンの他にシリンジもありますが、シリンジは算定の対象外です。
2017年4月18日~5月8日における主な改訂情報は以下の通りです。
佐古みゆきの「添付文書改訂ウオッチ」
2017年4月18日~5月8日
カルブロックやレザルタスの禁忌が改訂
「外用アゾール系抗真菌薬は禁忌でない」「ヴィキラックスは禁忌」を追記
2017/05/12
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著者プロフィール
佐古 みゆき(株式会社システムヨシイ[岡山市北区]データ開発部医療情報2課係長)さこ みゆき氏。2002年システムヨシイ入社。医薬品データベースのデータ登録を行う部署に配属され、医療用医薬品の添付文書と出合う。あらゆる医薬品の添付文書やその改訂情報を隅々まで確認し、製薬企業ごとの表現の違いや記載の曖昧さなどに日々悩みながらデータ化している。オフではゴルフに全力を注ぐ。

連載の紹介
佐古みゆきの「添付文書改訂ウオッチ」
医療用医薬品の添付文書は日々改訂されており、この改訂情報を漏れなくチェックするのは至難の業。そこで、本サイトの医薬品情報データベース「治療薬インデックス」のデータメンテナンスを委託している株式会社システムヨシイのデータ開発部医療情報2課の佐古みゆき氏に、添付文書のどこがどのように改訂されたのかを一覧にしてもらうとともに、特に注目すべきポイントを挙げてもらいます。
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