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保険証ない「オバマケア」の患者は自己負担ゼロで

2014/01/22

MucinexというOTC薬(去痰薬)のキャラクター。

 2014年に入り、いかがお過ごしでしょうか。アメリカでは、年末年始はあっさり過ごしていつも通りの暮らしをします。

 それどころか、1年で最も忙しいと言ってよいくらい忙しくなるのが薬局です(このことは何度かブログでも紹介しましたね)。私の勤める薬局では、普段なら薬剤師1人か2人で約200枚の処方箋を受け付けますが、年始の1週間は400枚近くにまで増加しました。

 その理由は、年の変わり目に、多くの民間・公的医療保険が保険プランを大改訂するからです。大晦日と元旦、例え1日違うだけでも同じ薬の自己負担額が大きく変わることはよくありますので、年末の駆け込み受診、年始の新しいプランでの受診で、薬局はてんやわんやとなるのです。

 加えて今回は、いわゆるオバマケアがスタートしました。オバマケアは、65歳未満である程度の収入があり、メディケア(高齢者向け公的医療保険)にもメディケイド(低所得者向け公的医療保険)にも加入できない人に対して、現状よりもリーズナブルな価格で提供する新たな公的医療保険です。

 アメリカに約4600万人も存在すると言われる無保険者をなくそうと導入されたオバマケアですが、報道されている通り、スタートは混乱続きです。以前、保険購入サイトの障害が話題になりましたが、今は、保険に加入したのに保険証がまだ届いていない方が多いことが問題になっています。

 薬局では、そうした患者さんに対して、処方薬が保険適用されるという前提で受付し、自己負担ゼロで対応しています。

 通常なら、患者さんが処方箋を持って来局すると、即座に保険会社の決算を行う仲介会社(PBM)にオンラインで問い合わせ、正確な自己負担額や保険適用の有無を確認するのですが、オバマケア関連で新規に保険加入された方については、見切り発車を強いられています。

著者プロフィール

大野真理子(ウォルグリーンズ・スペシャルティ薬局勤務〔米国テキサス州〕)
おおの まりこ氏○1997年武庫川女子大学薬学部卒業。同大学薬化学研究室嘱託助手を経て、2005年米国フロリダ大学卒業、Pharm.D取得。米国ウォルグリーンズに入社し、07年から16年まで薬局長を務める。15年に経営学修士(MBA)取得。16年フロリダ州にてコンサルタント薬剤師免許取得、同年テキサス州薬剤師免許取得。17年よりテキサス州のウォルグリーンズ傘下のスペシャルティ薬局に勤務。

連載の紹介

大野真理子の「アメリカで薬剤師になる!」
日本の薬学部を卒業後、単身渡米してPharm. D.を取得し、米国の大手薬局チェーンで薬局長を経験、さらにはフロリダ大学で経営学修士(MBA)を取得した大野氏。現在は大手薬局チェーンのウォルグリーンズ傘下のスペシャルティ薬局に勤務する同氏が、米国の薬局や薬局薬剤師の“今”を現地からリポートします。

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