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実習生と取り組んだ薬物治療管理

2012/07/09

CMRでは、実習生のヘザーさん(右)が患者さんの薬についてゆっくり相談を受けました。

 前回(「6週間の実務実習を引き受けました」)から引き続き、今回はピッツバーグ大学(ペンシルベニア州)薬学部の実習生、へザーさんが実習中に取り組んだMTM(Medication Therapy Management)を紹介します。

 MTMは、患者さんの薬物治療を最適化することで、保険会社から薬局に報酬が与えられる仕組みです。対象となる患者さんに介入すると、1件当たり20~50ドルの収入になります。

 へザーさんはMTMで、CMR(Comprehensive Medication Review、包括的薬物レビュー)や、価格の低い薬剤への変更、必要な薬剤の追加、適切な用量への変更などの介入をしました。

 CMRでは、あらかじめ予約をしていた時間に、患者さんに来局してもらいます。患者さんには、現在服用しているすべての薬と、OTC薬、サプリメントを持ってきてもらいます。

 そして薬剤師が、処方薬が適切であるか、OTC薬やサプリメントと危険な相互作用がないかを確認します。なお、Youtubeでアウトカムズ社がCMRに関する情報を提供しています。

 今回へザーさんが介入した症例の1人は、COPDの患者さん。アドエア(一般名サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル)を使用していました。CMRでゆっくり患者さんのお話を聞くと、「暑くなってくると、ついつい息が切れて使い過ぎる」と言います。

 おっと! アドエアは発作時に使用する薬ではありません。患者さんには、発作時に使用すべきアキュネブ(アルブテロール、日本未発売)を紹介し、ドクターに処方の必要性を説明して、アキュネブを追加してもらいました。

著者プロフィール

大野真理子(ウォルグリーンズ・スペシャルティ薬局勤務〔米国テキサス州〕)
おおの まりこ氏○1997年武庫川女子大学薬学部卒業。同大学薬化学研究室嘱託助手を経て、2005年米国フロリダ大学卒業、Pharm.D取得。米国ウォルグリーンズに入社し、07年から16年まで薬局長を務める。15年に経営学修士(MBA)取得。16年フロリダ州にてコンサルタント薬剤師免許取得、同年テキサス州薬剤師免許取得。17年よりテキサス州のウォルグリーンズ傘下のスペシャルティ薬局に勤務。

連載の紹介

大野真理子の「アメリカで薬剤師になる!」
日本の薬学部を卒業後、単身渡米してPharm. D.を取得し、米国の大手薬局チェーンで薬局長を経験、さらにはフロリダ大学で経営学修士(MBA)を取得した大野氏。現在は大手薬局チェーンのウォルグリーンズ傘下のスペシャルティ薬局に勤務する同氏が、米国の薬局や薬局薬剤師の“今”を現地からリポートします。

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