今回は処方患者数の多い脂質異常症(高脂血症)治療薬に焦点を当てて、処方トレンドを分析してみたい。
調査期間は2012年4月から14年3月の2年間で、対象期間のデータが全てそろっている88施設、対象患者数約341万人のデータから分析した。
まず、高脂血症治療薬の上位5薬剤における処方患者数の推移を見てみよう(図1)。直近で最も処方患者数の多いのはクレストール(一般名ロスバスタチンカルシウム)で、順調な伸びを示し、この2年間で約1.2倍の伸びとなった。リバロ(ピタバスタチンカルシウム)、ゼチーア(エゼチミブ)はどちらも約1割程度伸びている。一方、リピトール(アトルバスタチンカルシウム)、メバロチン(プラバスタチンナトリウム)は緩やかな減少傾向にあり、2年間で約1割程度の減少となっている。
新規に会員登録する
会員登録すると、記事全文がお読みいただけるようになるほか、ポイントプログラムにもご参加いただけます。
著者プロフィール
中村正樹(メディカル・データ・ビジョン株式会社〔東京都千代田区〕EBM事業部門長シニアマネージャ)
なかむら まさき氏 メディカル・データ・ビジョンにて、病院における薬剤処方実態のデータベース化事業の立ち上げメンバーとして、企画から営業まで携わる。現在、EBM事業部門長として、製薬会社のマーケティング部門や安全性に関わる部門などへの調査提案を行っている。専門は医療データ分析。趣味は祭(御輿担ぎ)と登山。

連載の紹介
中村正樹の「ビッグデータから読む処方トレンド」
急性期病院約200病院、実患者数が1000万人を超える膨大な診療情報を基に構築されている、メディカル・データ・ビジョンの「MDV EBM データベース」。このビッグデータの分析から浮かび上がる、病院における薬剤の処方実態を、データサイエンティストが読み解きます。
この連載のバックナンバー
-
2015/07/28
-
2015/02/10
-
2014/07/31
-
2014/06/18
-
2014/05/21