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「胃腸のお茶」に欠かせないアニス

2019/08/13

ドイツ マリエン薬局にはハーブ製品が並んだ棚がありました

 こんにちは、酒井美佐子です。前回に引き続き、ドイツ国内の薬局やドラッグストアで購入してきた商品を紹介したいと思います。

 今回は「胃と腸のお茶」です。日本では医薬品医療機器等法(薬機法)により、このような表記のお茶は見かけることはありませんが、ドイツの薬局やドラッグストアでは、色々なメーカーの胃腸茶を購入することができます。

 それらに配合されていることの多い、アニス(アニシード)を今回は取り上げたいと思います。

 アニス( Pimpinella anisum L.)はセリ科の一年草です。高さは40~60cmほどで、白い花をつけます。原産地は西アジア、東地中海沿岸です。昔から乾燥させた種子が薬や香辛料として使われてきた歴史があります。古代ギリシャでは主に薬草として使用され、母乳の分泌を促進するために飲まれていました。

 アニスの種子には甘く、優美な香りがあり、ヨーロッパではケーキやクッキーなどのお菓子のほか、リキュール(お酒)にも使われています。この甘い香りの成分は、精油のアネトールで、フェンネルや八角にも含まれているものです。

 アニスは消化促進と駆風作用(胃腸にたまったガスを排出する作用)に優れており、ヨーロッパでは、 胃もたれや消化不良、吐き気、おなかの張りなどの症状があるときに、単品で、あるいはフェンネルやキャラウェイ、カモミールジャーマンとブレンドしたものが飲用されています。ドイツのコミッションE(薬用植物の効能に関する評価委員会)では、消化不良と気道の炎症への使用が承認されているため、気管支炎や咽頭炎などの咳止めや痰切りにもアニスが利用されることがあります。

 米国ハーブ製品協会(AHPA)でもクラス1(適切に使用する場合、安全に摂取することができるハーブ)に認定されているハーブです。

 アニスは通常の食事に含まれる程度の量を取る分には安全だと思われますが、過剰摂取した場合の安全性については、信頼できる十分な情報が見当たらないので、取り過ぎには注意が必要です。

 その他、セリ科にアレルギーのある人は注意が必要です。また、有効成分であるアネトールがエストロゲン様作用を示す可能性があるため、乳癌、子宮癌、卵巣癌、子宮内膜症、子宮筋腫の患者は、使用を避ける方がよいでしょう。

著者プロフィール

酒井美佐子(特定医療法人財団古宿会 法人医療技術部部長、水戸中央病院[茨城県水戸市])
さかい みさこ氏 1992年東邦大学薬学部卒。同大医療センター佐倉病院、カナダ・アルバータ大学、米・コロラド州立大学を経て、2003年から医療機関内の自然療法部門でサプリメントやハーブ、アロマなどを取り入れた自然療法を行っている。メディカルサプリメントアドバイザー(NHPインターナショナル認定)。

連載の紹介

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