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お茶感覚で飲める、南アフリカの「ルイボスティー」

2010/05/27

 こんにちは、酒井美佐子です。東京ではここ数日、雨が降ったり止んだりで、じめじめした天気が続いていますが、皆さんのお住まいの地域ではいかがですか?

 もうすぐ、4年に1度のサッカーの祭典「ワールドカップ」が開催されますね。開催地は南アフリカ共和国。そこで今回は、南アフリカ共和国の特産品として知られる「ルイボスティー」をご紹介しましょう。

 ルイボス(Aspalathus linearis)は、マメ科の針葉樹。ルイボス(rooibos)の「ルイ」は「赤い(英語ではred)」、ボスは「潅木(英語ではbush)」という意味で、松葉のようにとがった針状の葉が、落葉のころに鮮やかな赤褐色に変わります。このルイボスの葉でいれたお茶、つまりルイボスティーを、南アフリカ共和国の先住民族は「不老長寿のお茶」として日常的に飲んできました。

 ルイボスは、南アフリカ共和国のケープタウンの北に広がるセダルバーグ山脈一帯にのみ自生しています。栽培も南アフリカ共和国のみで行われていますので、市販の「ルイボスティー」は、すべて南アフリカ産のものです。

 ルイボスティーは紅茶のような紅い色で、カフェインを含まず甘みもあることから、イギリスでは紅茶の代わりになる「ノンカフェイン・ティー」として広く飲まれています。イギリスのハーブティー店では、「レッド・ブッシュ・ティー」や「サウスアフリカン・レッド・ティー」、あるいは単に「レッドティー」との名前で販売されています。

 いれ方は簡単。ティースプーン山盛り1杯(2~3g)のルイボスの葉を、温めたポットに入れ、熱湯を150mL注ぎます。ふたをして、5~10分間抽出すればできあがり。そのまま飲んでもいいですし、“南アフリカ風”にミルクや砂糖を入れてもおいしくいただけます。

 ルイボスの含有成分は、フラボノイド類のルテオリンやアスパラチン、多糖類、少量のタンニン(5%以下)など。そして、ビタミンCが9.4%と、ハーブとしては比較的多く含まれており、「抗酸化作用」が期待できると考えられています。また、最近は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の抑制作用や、抗加齢作用に関する臨床研究も進められています。

 もっとも、ルイボスは、いわゆる「メディカルハーブ」(疾患の治療や予防をサポートするハーブ)ではなく「嗜好品」との位置付け。日本では、ルイボスティーが「花粉症」や「アレルギー」のある人向けの健康茶として販売されているのをよく目にしますが、こうした疾患に対する効能を裏付けるエビデンスは報告されていないようです。

 飲用による有害作用は報告されておらず、安全性は高いですから、お茶代わりに気軽に楽しむのがよいと思います。患者さんから相談されたときには、正しい情報を伝えた上で、嗜好品として楽しむよう勧めてあげてください。

 さて、最後に、下の写真をご覧ください。

著者プロフィール

酒井美佐子(特定医療法人財団古宿会 法人医療技術部部長、水戸中央病院[茨城県水戸市])
さかい みさこ氏 1992年東邦大学薬学部卒。同大医療センター佐倉病院、カナダ・アルバータ大学、米・コロラド州立大学を経て、2003年から医療機関内の自然療法部門でサプリメントやハーブ、アロマなどを取り入れた自然療法を行っている。メディカルサプリメントアドバイザー(NHPインターナショナル認定)。

連載の紹介

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