こんにちは、酒井美佐子です。立春とは名ばかり、まだまだ寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。この季節、体の芯から温まるハーブティーのおいしいいれ方を、今日はご紹介したいと思います。
ハーブティーとは、ハーブ、つまり薬用植物の有効成分を、お湯や水で抽出したお茶。私たちが普段から飲んでいる煎茶も、広い意味ではハーブティーとなります。しかし、西洋のハーブティーは、日本の煎茶とはいれ方がかなり違い、煎茶と同じようにいれてもおいしさや薬効は十分に得られません。
煎茶とハーブティーのいれ方の違いをご説明する前に、まずはハーブティーの歴史などについて、簡単にご紹介しましょう。
ハーブティーとは?
ハーブティーは、ハーブの有効成分を手軽に摂取するために、西洋で行われてきた飲用法。市販されているハーブティーの大半は、ハーブの葉や花、根、皮、種子、果実を乾燥した「ドライハーブ」である。日本で販売されているハーブティーの多くは、欧州や米国、東南アジア、アフリカなどから輸入されたものである。
日本に漢方薬の歴史があるように、欧米では紀元前から、病(やまい)になると身の回りの薬草(ハーブ)で自らを癒してきたという歴史がある。紀元前5世紀には、医学の祖であるヒポクラテスにより、およそ400種類のハーブを煮出した汁が医療に使われていたと記録されている。現在でもドイツやイギリスでは、薬局に処方用のドライハーブが並び、多くの人に愛用されている。
ハーブと医薬品
ハーブを利用した医薬品には、ハーブティーに使うドライハーブのほか、ハーブをエタノールまたはエタノールと精製水の混合物に浸すことで作るハーブチンキ、粉末状に砕いたドライハーブやハーブチンキをカプセルに詰めて飲みやすくしたハーブカプセルなどがある。
また、ハーブから抽出した特定の成分を純粋な結晶として単離したものが、さまざまな医薬品に応用されている。その代表例が、1830年にセイヨウシロヤナギから単離されたサリシン(サリチル酸の配糖体)である。このサリシンを出発物質として1899年に合成されたのが、今もなお鎮痛剤などとして頻用されるアスピリン(アセチルサリチル酸)である。
もう一つの代表例が、モルヒネである。ケシの未熟果から採取する阿片には、モルヒネが10%程度含まれており、1806年に純粋なモルヒネの単離に成功した。モルヒネは現在、癌性疼痛の緩和に欠かせない薬剤の一つとなっている。