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いまだに悩ましい、量が少ない薬剤の賦形

2021/09/28
松本 康弘(ワタナベ薬局上宮永店[大分県中津市]、薬剤師)

 小児は1回の製剤量が少ないために、乳糖やデンプンで賦形することが多々あります。しかし、賦形するときにはいつも悩みます。少し前のことですが、「アスピリン0.05g(1日1回、朝食後)30日分」という処方箋を応需しました。アスピリンの量が1包0.05gと極めて少なく、たとえ正確に秤量しても、調剤操作中または分包紙内に残ってしまうので、賦形する必要があります。

 アスピリンは結晶ですが、乳糖は細粒ですので、一緒にしても均等に混ざりません。そこでアスピリンの結晶を乳鉢で粉砕したところ、強い酢酸臭がしてきました。アスピリンは吸湿性が高く、同薬のインタビューフォームによれば「湿った空気中で徐々に加水分解し、酢酸とサリチル酸になる」と書かれています1)。結晶を粉砕することで空気との接触面が増えて加水分解が進むようです(図1)。このときは心配になり、少ない量でしたが賦形せず、原末のまま分包しました。

著者プロフィール

松本康弘(ワタナベ薬局上宮永店〔大分県中津市〕)
まつもと やすひろ氏。1956年生まれ。熊本大学薬学部卒業後、大手製薬企業の研究所勤務を経て、2001年に株式会社ワタナベに転職。最初に配属された店舗で、小児の服薬指導の難しさや面白さに魅せられ、患者指導用のパンフレットの作成などを積極的に行うようになった。小児薬物療法認定薬剤師。

連載の紹介

松本康弘の「極める!小児の服薬指導」
小児科門前の薬局で、小児の服薬指導に日々奮闘する松本氏が、日常業務で感じたことや、子どもに薬を飲んでもらうための工夫の数々を紹介します。明日から使える具体的なノウハウ満載!学会で仕入れた、小児科診療の最新トピックスなども飛び込みで紹介します。

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