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不安や不眠など、軽度の精神神経系症状を常に念頭に
モンテルカストの副作用にFDAが再警告

2020/03/30

 4大医療系雑誌の1つ、NEJM誌の3月初旬のトピックに「Montelukast to Get Boxed Warning」という記事がありました1)。モンテルカストナトリウム(商品名キプレスシングレア他)は一般的な気管支喘息・アレルギー性鼻炎の治療薬で、小児科でもよく処方される薬の1つです。

 Boxed Warning(枠組み警告)は処方箋医薬品のリスクの可能性についてラベルに記載される警告文で、深刻で時には生命に関わる副作用を引き起こすリスクを伴う場合に使われます。警告の文面が黒枠で囲まれることから黒枠警告(black box warning)とも呼ばれ、米国食品医薬品局(FDA)による添付文書変更要請の中で最も強い警告に当たります。

 今回の警告は、モンテルカストの自殺念慮および行動などの精神症状を含む副作用についてでした。モンテルカストは既に2009年にFDAから精神神経系の症状が出ると注意喚起されており、FDAが改めて警告したことになります2)。日本でも2010年に添付文書が改訂され、「重要な基本的注意」の項に「本剤との因果関係は明らかではないが、うつ病、自殺念慮、自殺及び攻撃的行動を含む精神症状が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること」と追記されました。

 その発症は極めてまれで、インタビューフォームにもPhilipらの論文を引用して「プラセボ対照臨床試験 41 試験を対象に統合解析を行った結果、本剤投与群 9929 例中 1 例において自殺念慮が認められたのに対して、プラセボ群 7780 例において自殺念慮は認められなかった3)。また、プラセボ対照臨床試験 46 試験を対象に統合解析を行った結果、行動変化に関連する事象(不眠、易刺激性等)が、本剤投与群 1万1673 例中 319 例(2.73%)、プラセボ群 8827 例中200 例(2.27%)において認められたが、統計学的な有意差は認められなかった4)」と記載されており、私もあまり注意していませんでした。

著者プロフィール

松本康弘(ワタナベ薬局上宮永店〔大分県中津市〕)
まつもと やすひろ氏。1956年生まれ。熊本大学薬学部卒業後、大手製薬企業の研究所勤務を経て、2001年に株式会社ワタナベに転職。最初に配属された店舗で、小児の服薬指導の難しさや面白さに魅せられ、患者指導用のパンフレットの作成などを積極的に行うようになった。小児薬物療法認定薬剤師。

連載の紹介

松本康弘の「極める!小児の服薬指導」
小児科門前の薬局で、小児の服薬指導に日々奮闘する松本氏が、日常業務で感じたことや、子どもに薬を飲んでもらうための工夫の数々を紹介します。明日から使える具体的なノウハウ満載!学会で仕入れた、小児科診療の最新トピックスなども飛び込みで紹介します。

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