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クラリシッドDSとの混合時に、一部の後発品で強い苦味
ムコダインシロップの先発品と後発品の違いとは

2016/03/10

 ご存じのように、クラリシッド(一般名クラリスロマイシン)などのマクロライド系抗菌薬の小児用ドライシロップ(DS)は、酸性のスポーツ飲料などと混ぜると苦くなります。これらの薬剤は苦みを感じさせないように、中性の口腔内で溶けずに、酸性の胃で溶けるように設計されているためです。薬にも酸性のものがあります。有名なのがムコダインDS(カルボシステイン)で、pHは2.76です1)。クラリシッドDSとムコダインDSを混ぜるとすごく苦くなり、お子さんが間違って飲むと薬嫌いになることがあります。

 一方、クラリシッドDS小児用を、ムコダインシロップ(S)と混ぜても苦くならないことはあまり知られていません。ムコダインSはもともと、酸性のカルボシステインにpH調整剤を加えてpHを5.5~7.5にしているため、クラリシッドDSと混ぜても、苦くならないのです。クラリシッドDSとムコダインDSが同時に処方されていたら、ムコダインDSをムコダインSに変えてもらうのは1つの手です。

 さて、話はこれで終わりません。実はこれに後発医薬品が入ってくると、とてもややこしくなるのです。ムコダインSには4種類の後発品(A~D)があります。それぞれのムコダインSの後発品に、クラリシッドDSを混ぜたときの苦味の強さの違いを示したのが、図1Aです1)。後発品AとCの苦味の強さはムコダインSとほとんど同じなのですが、Bは少し苦くなり、Dはかなり苦くなりました。

 なぜこうなるのでしょうか。原因は混合液のpHにあります。DのpHは、もともと3.50と酸性に傾いており、クラリシッドDSに混ぜても4.27と酸性のままなのです(図1B)1)。 

著者プロフィール

松本康弘(ワタナベ薬局上宮永店〔大分県中津市〕)
まつもと やすひろ氏。1956年生まれ。熊本大学薬学部卒業後、大手製薬企業の研究所勤務を経て、2001年に株式会社ワタナベに転職。最初に配属された店舗で、小児の服薬指導の難しさや面白さに魅せられ、患者指導用のパンフレットの作成などを積極的に行うようになった。小児薬物療法認定薬剤師。

連載の紹介

松本康弘の「極める!小児の服薬指導」
小児科門前の薬局で、小児の服薬指導に日々奮闘する松本氏が、日常業務で感じたことや、子どもに薬を飲んでもらうための工夫の数々を紹介します。明日から使える具体的なノウハウ満載!学会で仕入れた、小児科診療の最新トピックスなども飛び込みで紹介します。

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