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インフルエンザの下痢はA型よりB型が多いの?

2015/05/15

 最近は1年を通じて気が抜けないのがインフルエンザ。4月には、読売ジャイアンツの原監督がインフルエンザで自宅療養を余儀なくされました。2009年に流行した新型インフルエンザが、日本で注目を集めたのはゴールデンウイークの頃でしたね。小児科の前の薬局では、抗ウイルス薬の在庫を確認し、いつどっとインフルエンザのお子さんが来ても対処できるようにしなくてはいけません。

 さて、インフルエンザと言えば、やはり高熱、そして呼吸器症状です。みんな、頭を冷やしつつ、激しく咳をしてやってきます。でも、そんなインフルエンザで見落としそうになるのが「消化器症状」です。インフルエンザでも、ウイルスが大腸で増殖すると消化器症状を起こします。

 「インフルエンザによる消化器症状はB型の方が多い」ということが、あたかも、都市伝説のように言われています。しかし、実際に下痢にフォーカスを当てた研究というのは多くありません。日本臨床内科医会インフルエンザ研究班が調査では、下痢発生頻度はインフルエンザB型の方がA型より多い傾向にありましたが、有意差はありませんでした。でも、薬局で投薬していると、インフルエンザB型のお子さんで、「下痢してるのですが……」という話をよく聞きます。「それならば!」と、メンバーの協力を得てインフルエンザによる下痢の発症を調査しました。調査方法は前も紹介しました「ブリストルスケール」を用いました。2013~14年のインフルエンザシーズンの患者さんに便の状況を聞き取りし、インフルエンザ感染による影響を調べました。

 インフルエンザのお子さん719人からブリストルスケールの表を用いて聞き取りを行ったところ、レベルが上がったお子さんは31.8%と、実に3人に1人は便が緩くなっていました。でも、ここで注意!抗生剤を併用しているお子さんがいます。前回の調査でも、抗生剤は下痢を誘発しています。そこで、抗生剤投与群と非投与群に分けると、抗生剤を併用していたお子さんの方が服用してないお子さんに比べて下痢の頻度が高くなりました(図1)。

著者プロフィール

松本康弘(ワタナベ薬局上宮永店〔大分県中津市〕)
まつもと やすひろ氏。1956年生まれ。熊本大学薬学部卒業後、大手製薬企業の研究所勤務を経て、2001年に株式会社ワタナベに転職。最初に配属された店舗で、小児の服薬指導の難しさや面白さに魅せられ、患者指導用のパンフレットの作成などを積極的に行うようになった。小児薬物療法認定薬剤師。

連載の紹介

松本康弘の「極める!小児の服薬指導」
小児科門前の薬局で、小児の服薬指導に日々奮闘する松本氏が、日常業務で感じたことや、子どもに薬を飲んでもらうための工夫の数々を紹介します。明日から使える具体的なノウハウ満載!学会で仕入れた、小児科診療の最新トピックスなども飛び込みで紹介します。

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