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子どもに処方された向精神薬

2015/02/03

 こういう処方箋を受け取ったことはありませんか?小児科の薬を扱っている薬局では経験があると思います。もちろん、統合失調症の患者さんの処方箋ではありません。リスパダール(一般名リスペリドン)は自閉症、ADHD等々の発達障害を持つお子さんに良く使用されます(もちろん、適応外使用です)。

 今回の処方箋はチックの患者さんの処方箋です。チックというのは本人がやろうとしているわけではないのに、体の一部がすばやく動き、それが何度も繰り返す状態を言います。まばたきや、首ふりなどの体の動きだけではなく(運動チック)、口や鼻やのどの動きとなれば言葉の繰り返しとして現れます(音声チック)。

 チックはありふれた症状です。一度でもチックを経験したことのある子どもは10~24%と言われています。すなわち10人に1か2人いるという計算になります。しかし、チックの症状は一過性で100人中95人はそのまま忘れるようにして消えていきます。ただ、残り5%にチックが継続し、慢性型に移行します(10000人に5人程度)。特に音声チックと運動チックが同時に起こるトゥレット症候群は思春期以降も継続することがあります。

 薬物療法は生活に支障がなければ使いません。薬物療法は完全に症状を消すのではなく、ひどい症状を軽くすることです。裏を返せば、この様な処方箋を持ってきた患者さんは、チックで学校や友達との関係に支障をきたしているということになります。

著者プロフィール

松本康弘(ワタナベ薬局上宮永店〔大分県中津市〕)
まつもと やすひろ氏。1956年生まれ。熊本大学薬学部卒業後、大手製薬企業の研究所勤務を経て、2001年に株式会社ワタナベに転職。最初に配属された店舗で、小児の服薬指導の難しさや面白さに魅せられ、患者指導用のパンフレットの作成などを積極的に行うようになった。小児薬物療法認定薬剤師。

連載の紹介

松本康弘の「極める!小児の服薬指導」
小児科門前の薬局で、小児の服薬指導に日々奮闘する松本氏が、日常業務で感じたことや、子どもに薬を飲んでもらうための工夫の数々を紹介します。明日から使える具体的なノウハウ満載!学会で仕入れた、小児科診療の最新トピックスなども飛び込みで紹介します。

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