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小児の解熱剤、坐薬は本当に速く効くの?

2014/07/29

 坐薬は、実は薬剤師になるまで使ったことがなかった剤形の一つです。小児の調剤を始めた時、散剤の味見の次にトライアルしたのは、実際に坐薬を入れてみることでした。さすがに自分の子どもたちは中学生、高校生になっていたので、自分でするしかありません。トイレで入れてみると、意外と難しいですね、すぐ出てきました。しっかりと全てが入るまで入れないとダメでした。そして、ティッシュを使うと楽だということも学びました。

 そんな坐薬、お母さんだって「初めて使う」という方も結構いて、説明してあげる必要があります。そういう時に、よく参考にさせていただくのが、昔、日経DIに掲載されていた「坐剤を途中排出させないコツ」です。イラストで坐薬の挿入方法と、入れた後の確認が描かれていました。また、坐薬が出ないようにするコツとして、「入れた後、足や腕で股間を押さえながら5分間ほど抱っこする」と書かれていました。これは、坐薬を入れてうんちが出ちゃったというお母さんに、アドバイスしています。

 さて、お母さんたちに、「熱さましは坐薬と粉薬どちらにしますか?」と聞くと、「坐薬の方が粉薬よりも早く効くので、坐薬でお願いします」と言われます。本当にそうなんでしょうか?薬剤師もよく持っている『小児の薬の選び方・使い方』(南山堂、2010)で調べると、血中濃度で比較すると坐薬の方が早く効くと載っています。

 ところが、同じアセトアミノフェンを成分とするアンヒバ坐剤小児用とカロナール細粒のインタビューフォームを見てみると、カロナール細粒を服用した際の血漿中アセトアミノフェン濃度は約30分でピークに達していますが、アンヒバ坐剤小児用ではピークは1時間半くらいと遅れています(図1)。

著者プロフィール

松本康弘(ワタナベ薬局上宮永店〔大分県中津市〕)
まつもと やすひろ氏。1956年生まれ。熊本大学薬学部卒業後、大手製薬企業の研究所勤務を経て、2001年に株式会社ワタナベに転職。最初に配属された店舗で、小児の服薬指導の難しさや面白さに魅せられ、患者指導用のパンフレットの作成などを積極的に行うようになった。小児薬物療法認定薬剤師。

連載の紹介

松本康弘の「極める!小児の服薬指導」
小児科門前の薬局で、小児の服薬指導に日々奮闘する松本氏が、日常業務で感じたことや、子どもに薬を飲んでもらうための工夫の数々を紹介します。明日から使える具体的なノウハウ満載!学会で仕入れた、小児科診療の最新トピックスなども飛び込みで紹介します。

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