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紙コップ禁止!国際渡航医学会が重視するもの
CISTM16 学会レポート(2)

2019/08/06
佐藤 厚

国際渡航医学会に参加した人に配られた記念のコップ

 前回、国際渡航医学会(CISTM)に参加したことを書きました(3回目の国際渡航医学会はワシントンDCへ)。今回はレポート第2弾として、学会で特に印象に残った話を選んで紹介します。

 2019年6月5日の夕方の正式な開会式では、学会の取り組みが紹介され、これがとても素晴らしいものでした。

 CISTMは、地球環境とグローバルヘルスの両方を重視していることから、参加者には受け付けの際に記念品としてカップが手渡され、これを使って水やコーヒーを飲んでくださいと言われました。

 休憩の度に、給水所やコーヒーサーバーの前には、長蛇の列ができましたが、それしか方法がなければ人は我慢するもので、やがてそれが当たり前になります。

 展示ブースを設置した企業は、この方針に従う義務はなかったようで、コーヒーやジュースを提供するスポンサーは紙コップを使っていました。私がこれに気付いたのは、使い回しのカップに慣れた頃のこと。

 私は紙コップにコーヒーを入れている光景を見る度に、「環境保護に努める学会の横で、何とけしからん!」と思うようになりました。そんな自分自身の意識の変化に驚くと共に、世界中にこのような動きがもっと広がっていったら素晴らしいなと思いました。

 また、学会として印刷物をゼロにしたのも注目に値します。海外ではよく「Save the earth」や「Go green」を合言葉に、紙の使用量を減らすことで、森林伐採の削減する取り組みをしていますが、CISTMは学会としてこれを極めた形になります。

 参加者としては、困ったことは何もありませんでした。参加者は、あらかじめオンラインで公表されたプログラムをスマートフォンやタブレット端末にダウンロードし、また演者のスライドは全て学会後にオンラインで公表されました。学会中、分厚く重い抄録集などを持ち運ぶ必要がないのは参加者にとってもありがたいことですし、初めからスライドがオンラインで公表されると分かっていれば、演者の話に集中できますから、便利としか言いようがありません。

 私の場合は、このコラムを書くという大きな使命(?)がありますから、常にラップトップでノートを取り、スマホでスライドの写真を取っていました。しかし、それでもちょっと講演に聴き入ってしまうと、スライドを見逃してしまうこともあり、後でスライドを全て見直すことができるのは非常に便利です。

 また、スケジュールの関係で、聴けなかった講演のスライドだけでも手に入るのは非常に参考になります。これは紙ベースの配布資料をやめたことで生まれた利点といえます。

連載の紹介

まいにち薬剤師
保険薬局や医療機関、大学、研究機関、製薬企業、医薬品卸などで働く薬剤師に、日々の業務や日常生活を通じて感じたこと、考えたことを、つれづれなるままに執筆いただくコーナーです。さまざまな薬剤師に、単回もしくは不定期に登場していただき、薬剤師の視点から話題を提供してもらいます。このコーナーへの寄稿を希望される方は、お問い合わせフォームから編集部にご連絡ください。

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