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嗜好用大麻、いよいよ解禁前夜!
カナダの「グリーンラッシュ」は今

2018/10/16
佐藤 厚

写真1 ブリティッシュコロンビア州政府から筆者宅に届いた嗜好用大麻解禁を知らせるハガキ

 カナダ国内の大手薬局チェーンが「大麻」を販売する日が来るかもしれない──。そんな寝耳に水のようなニュースが流れたのが、2016年のことでした。

 時を経て、ついに2018年10月17日、嗜好用大麻が解禁されようとしているカナダから、「グリーンラッシュ」についてリポートします(関連記事:「今年のカナダは『グリーンラッシュ!』」「続報!グリーンラッシュの行方」)。

 医療用大麻を巡っては、国際的に科学的な合意の欠如が大きな問題となっています。にも関わらず、カナダでは、2001年以降、多発性硬化症に伴う痛みや筋痙攣、重度の難治性癌関連疼痛、後天性免疫不全症候群(AIDS)などに対して合法的な使用が認められてきました。この場合、医師が処方し、カナダ健康保健省(Health Canada)の栽培許可を受けた業者から、直接患者の元に郵送で届く形を取ってきました。

 その一方で、嗜好用大麻の非合法的な販売・使用は、カナダの至る所で蔓延しており、嗜好用大麻を解禁することでブラックマーケットを淘汰する目的があると言われています。

 嗜好用大麻は、タバコやお酒のような嗜好品の1つとして位置付けられ、その使用に際しては誰もがルールを守ることが必要不可欠となります。オンタリオ州政府は、ウェブサイトを設けて、一般的なルールを説明しています。例えば、嗜好用大麻の購入、使用、栽培は19歳以上でなければならないこと、公共の場所では使用しないこと、運転時に大麻が検出された場合には即時免許停止となり、罰金が科されることなどです。

 カナダ政府は、一般市民向けだけでなく、医療従事者、学校の先生、妊婦など、異なる対象向けに、大麻に関する情報を集めて、健康保健省のウェブサイトで、有害性などの知識の普及を図っています。

 大麻製造業者にも、大きな動きが見られました。カナダのバンクーバー島に本社を構えるTilray社は、2018年7月に、大麻メーカーとしては米国で初めて新規株式公開(IPO)として、米ナスダック市場に上場を果たしました。米国での事業拡大への期待感を背景に、初値は23.05ドルをつけ、2カ月後の9月には一時的に株価が300ドルにまで上がり、それまでカナダの大麻製造最大手であったCanopy Growth社の時価総額を超えました。その後、株価は急落し、「大麻バブル崩壊」とささやく声も聞かれましたが、国境を超えてビジネスを展開する同社の動向は注目の集まるところです。

写真2 大麻メーカーのTilray社の株価

連載の紹介

まいにち薬剤師
保険薬局や医療機関、大学、研究機関、製薬企業、医薬品卸などで働く薬剤師に、日々の業務や日常生活を通じて感じたこと、考えたことを、つれづれなるままに執筆いただくコーナーです。さまざまな薬剤師に、単回もしくは不定期に登場していただき、薬剤師の視点から話題を提供してもらいます。このコーナーへの寄稿を希望される方は、お問い合わせフォームから編集部にご連絡ください。

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